気を付けたい「世の中のビジネス心理学」 まとめ

 

 

 

 

「あの人は〇〇な印象」は「好き嫌い」や「見た目」に左右され、かなり曖昧で不正確 追記:(19/05/08)

 

 

学校で教えられたり、一般的にでよく言われる「人は見た目で判断してはいけませんよ!」ってやつがいかにできていないか科学的に解説します。

 

①:人は「自身の下した印象は正しい」と思い込む

 

人間は初対面の人に抱いた印象をそのまま信じ続けようとする性質があり、心理学的にこれを「確証バイアス」と呼んでいます。

 

実験(R)では、子供を2つのグループに分け「30問の数学の問題」を解かせる。

  1. Aのグループ:子供は前半の正解数が14問、後半が6問(前半の成績が良い、後半は悪い)
  2. Bのグループ:子供は前半の正解数が6問、後半が14問(前半の成績が悪い、後半は良い)

前半と後半でAとBの正解数が逆転し、結果は同じ(合計正解数は両グループとも20問)。

 

この「子供たちの問題を解いた動画」を被験者に前半と後半を分けて見せ、AとBのグループのどちらが優秀であるか評価してもらった。

 

結果、ほとんどの人がAのグループ(正解が前半14問、後半6問)を数学の能力が優秀であると答えた。

 

人間は自身が最初に抱いた第一印象は間違っていないという確証バイアスを抱き、これは一般人だけでなく数学を専門としている専門家にも同じ傾向がみられた。

 

つまり、「全体を見て印象を決めるのはめんどくさいから、最初の印象でいいや」となっちゃうわけで、

  • 親や教師が子供をいつまでも「子供扱い」する
  • 上司や同僚が「最初、仕事に慣れるまで上手くやれなかった人」をいつまでも駄目人間扱いする

 

これらすべて確証バイアスに囚われて、「自分が下した判断は正しい」と思い込んでいるので、どんなに頑張っても他者からの評価はそんなに変わりません

 

②:人間は好き嫌いで「他人の印象(良し悪し)」を決めている

 

人間は他人の性格を判断するときに相手の情報(性格、行動)などの客観的な指標ではなく、見た目や自分がどれだけ相手のことを好んでいるか(嫌っているか)など、強力な「色眼鏡」を通して、かなり非合理的な判断を日々下しています

 

1998年、カリフォルニア大学の研究(R)でランダムに集めた被験者に「ロナルド・レーガンアメリカ合衆国、第40代大統領)が大学に所属していたころのGPAのスコア(成績)」を予測させて、予測した成績にどのような変化が表れるか調査した。

 

 結果、レーガン大統領に

  • 良い印象を抱いていた被験者が予測したスコアの平均はA(優秀と予測)
  • 良くない印象を抱いていた被験者が予測したスコアの平均はC(平均的と予測)

 この後に被験者に「あなたの予測はどの程度、正しいと思いますか?」と質問すると

  • 印象は普通(好きでも嫌いでもない)という人は自身の予測にあまり自信が無さげ、「見わけじゃないから正直わかんない」みたいな感じ。
  • しかし、極端な印象を抱いている(すごい好き、すごい嫌い)人は度合いに応じて自信が深まっていた。

好き嫌いの度合いに比例して自身の推測に対する自信が深まっていた。

 

つまり、他人の印象を客観的に判断しているのではなく、好き嫌いの度合いで相手のことを決めつけていることが分かった。

 

例えば、ペンシルベニア大学の研究(1)やアメリカの心理学者、ロバート・スタンバーグらの研究(2)で、

  • クリエイティブな発想をする人はリーダーには向かない(カリスマ性が低い)と判断される

原因として、人は現状維持を好む生き物変化をもたらす要素を排除しようとする性質がこのような傾向に現れているのでないかと考えられています。

 

③:人は「相手は自分のことを分かってくれている」と思っているが「自分は相手のことを分かっていない」

 

1998年、マニトバ大学の研究(R)で被験者に個人の抱えている問題をペアで考えさせる。例えば、「娘が悪い男と交際していて、別れさせたいがどうやって娘を説得するか?」など。

 

被験者は事前に

  1. 自分の戦略を曲げないでコミュニケーションする
  2. 相手が満足するようにサポートする
  3. 相手が妥協した分だけ妥協する(譲歩したら譲歩するなど)
  4. 相手を気にせずにベストな解決策だけを提示させる
  5. なるべく相手に好かれるようにする

この5つの戦略の内のどれかを使って会話をさせた結果

  • 「相手がどの戦略を取っていたか分かりましたか?」について26%しか当てられなかった
  • 「自分がどの戦略を取っていたか相手は分かっていたと思いますか?」については60%程度は分かっていただろうと答えた

 

つまり、人間は「相手のことは分かっていない」のに「相手は自分のことを分かっている」と思い込む傾向がありこれを【透明性の錯覚】と言い、これが誤解を生む原因です。

 

なので、自分自身の言葉足らずな部分を「相手は分かってくれているだろう」と勝手に思い込むので誤解が生まれて話がややこしくなったりするわけです。

 

こうならない為にも分からないことは「分からない」と相手に勝手に情報を埋めさせないようにする必要があります。

 

④:裁判でさえ人は見た目に左右される

 

1991年、ブランダイス大学の少額裁判所の判例を500件以上調査した論文(R)で「顔の印象で裁判の有罪確定率が変わる」ことが分かった。

 

童顔の度合いが高くなるほど有罪確定率に変化が表れます。

 

「意図的な損害(意図していないとできない行為)」の訴えの有罪確定率は

  • 童顔具合が低い(大人びた顔)場合は92%が有罪
  • 童顔具合が高い(子供っぽい顔)場合は42%が有罪

童顔だと「意図的な罪に関して半分以上は罪として問われない」ということ。

 

「意図的でない損害(うっかりミスをしてしまった場合)」の訴えの有罪確定率は

  • 童顔具合が低い(大人びた顔)場合は58%が有罪
  • 童顔具合が高い(子供っぽい顔)場合は85%が有罪

大人っぽいひとの方が「まさかうっかりミスなんてしないだろう」や「何か理由があったのではないか?」となりやすい。

 

全体的に見ると大人びた顔の人の方が有罪確定率は高いですが、うっかりミスの場合だと童顔な方が責められやすい。

 

つまり、普段の生活(仕事、趣味、プライベート)でミスをした時に責められるときとそうでない時、責められやすい人とそうでない人の違いは顔(童顔具合)が左右していることが多いかもしれません。

 

参考

Pattern of performance and ability attribution: An unexpected primacy effect.

The attitude heuristic and selective fact identification

Recognizing creative leadership: Can creative idea expression negatively relate to perceptions of leadership potential? - ScienceDirect

 A systems model of leadership: WICS.

Perceived Versus Actual Transparency of Goals in Negotiation

The impact of litigants' baby-facedness and attractiveness on adjudications in small claims courts | SpringerLink

 

 

サイコパスって成功しやすいのでは?ってのがそうでもなった話 追記:(19/04/15)

 

 

社会的影響サイコパスの研究で有名なイギリスの心理学者、ケヴィン・ダットン著者のサイコパス 秘められた能力という本で、「サイコパスが多い職業ランキング」が判明しております。

 

サイコパスとは

  • 良心が異常に欠如している
  • 他者に冷淡で共感しない
  • 慢性的に平然と嘘をつく
  • 行動に対する責任が全く取れない
  • 罪悪感が皆無
  • 自尊心が過大で自己中心的
  • 口が達者で表面は魅力的

などで、「サイコパスが多い職業ランキング」は

  1. CEO
  2. 弁護士
  3. 芸能人
  4. 営業マン
  5. 外科医
  6. ジャーナリスト
  7. 警官
  8. 聖職者
  9. 料理人
  10. 公務員

ということで、企業のお偉い方は時に残酷な決定を必要とされたりブラックな会社だったり、弁護士は犯罪を起こした人を弁護したり、人のゴシップを追うジャーナリストだったりと、いろんな意味で人々がやりたがらない仕事を請け負う人がサイコパス性が高くなってしまうみたい。

 

上記を踏まえて、サイコパスな人は社会的に見て成功しやすいそうで、一概にサイコパスは必要ないとは言えないのが現状ですが、中でも「役に立つサイコパス」と「役に立たないサイコパス」がいるそうです。

 

2016年、ノラ・シュッテらの研究(R)で161名のビジネスマンを対象に性格診断、職場での自己評価、同僚による客観的な評価、仕事のパフォーマンス、社交度を調査した。

 

調査の結果、「一次サイコパス(役に立つサイコパス)」と「二次サイコパス(役に立たないサイコパス)」に分けられ、

一次サイコパス(役に立つサイコパス

  • 自身の考えを曲げず、結果に影響されず、仕事のストレスに極端に強い。
  • 同僚からは頼りにされていたり、助けになると支持されていることが多かった。

 

二次サイコパス(役に立たないサイコパス

  • 自己中心的、自身の衝動のコントロールができず、他人のことを考えずチームワークを乱す。
  • 同僚からは「面倒な奴」「近寄らないようにしよう」と思われていることが多い。

ケヴィン・ダットンによると、サイコパスは自己中心的で無責任だが、魅力的で自信家らしいのでこの特徴が上手く起用すると社会の役に立つサイコパスになるそうです。

 

サイコパスに加え、ナルシシズム(自己愛)とマキャベリズム(非道徳的)が加わると誹謗中傷を行う荒らし(トロール)になってしまう(Rので気を付けたいところ。

 

そして、「サイコパスは本当に有能なのか?」について2019年、マラバラ大学らの過去のサイコパス研究から92件のデータをメタ分析(R)して、

  1. サイコパスは社会的地位が高いのか
  2. サイコパスは昇進してから能力を発揮しているのか

などを調査しました。

 

結果、

  1. サイコパスの社会的地位が高くなることはあるが相関性はそこまで見られなかった(サイコパスのリーダーは少数派ということ
  1. サイコパスとリーダーシップに負の相関性がみられたが、周囲の評価は高かった(経営は上手くないけど、偉そうなので有能に見られやすい
  2. 上記の2つは男性のみに当てはまる(女性はリーダーにもならず、有能にも見られない

 

研究者によると

全体的(長期的)に見るとサイコパスは最終的にメリットをもたらさず、これを純粋に同僚からも良くは思われない。サイコパスは周りを動かすために、他人を不快にさせたり脅威を与え、結果的にこのやり方は報われない。

サイコパス性が役に立っても周りと上手くやっていけないせいで、最終的にリーダーとしては使えない存在になってしまうらしいです。

 

サイコパス性の高い女性は単なる「出しゃばり」と思われ、男性以上に厳しいみたいです。

 

参考

サイコパス 秘められた能力

The Role of Interpersonal Influence in Counterbalancing Psychopathic Personality Trait Facets at Work

The dark side of Facebook®: The Dark Tetrad, negative social potency, and trolling behaviours - ScienceDirect

Shall we serve the dark lords? A meta-analytic review of psychopathy and leadership.

 

 

チームの規模が大きいほど成果が出るのか 追記:(19/04/12)

 

 

何事にもチームで進めるときはチームワークは大切で、以前にも取り上げたチームが勝ち(成功)続ける秘訣は同じチームで勝利を重ねることが重要!って話はしました。

 

では、「チームの規模が大きいほど良い結果を生むのか」について、人員を掛けられると作業も分割できるので成果を出しやすくなるのでないかと考えるのが普通です。

 

このことについてシカゴ大学の研究(1)による、1954年から2014年までの期間にわたる6,500万を超える論文、特許、ソフトウェア製品を分析(1,2,3,4,5,6,7)し、チームの人数と成果との相関性について調査した。

 

小規模チームと大規模チームの定義は比較する対象によって決定される。

(大規模チームが10人なら比較する小規模チームは5人、50人なら25人、2人なら1人)

 

結果、小規模チームのほうが、新しい発見(アイディア)が多かった

 

数十人で動くよりも1人で動いた方があきらか新しい発見が多く、規模が大きいチームでブレインストーミングするほど創造性が下がるなんてメタ分析(1)もあります。

 

ブレインストーミングの4原則

  1. 批判や判断・結論を出さない
  2. 奇抜な考え方やユニークで斬新なアイデアを重視する
  3. 質より量を重視する
  4. アイディアを結合し発展させる

ブレインストーミングすることで創造性が下がる原因として

  • 批判をしなくとも、人前で発言することにプレッシャーや緊張が生まれるから。
  • 大勢で大量にアイディアを出すことを優先する為に、優秀な人が格下のアイディアに合わせてしまうから。
  • 働きアリの法則(チームの一部の人間が努力をしなくなる)

などが挙げられます。

 

ブレインストーミングで創造性を上昇させるには、自身の過去の恥ずかしい体験を思い出することで、自身のアイディアを出すハードルを下げることができ、

  1. アイディアの量が35%上昇
  2. アイディアへの柔軟性が25%上昇

とノースウエスタン大学の研究(1)により分かっています。

 

大規模なチームはすべて悪いわけではなく、既存の考えやエビデンスを固めたり、発展させるのに大規模なチームは向いています

 

まとめると

  • 初期のアイディア出しは個々人で行う
  • 従来のアイディアや考えを補強したいときは複数で行う

と分けて行うことが重要です。

 

参考

Large teams develop and small teams disrupt science and technology | Nature

Team Assembly Mechanisms Determine Collaboration Network Structure and Team Performance | Science

The Increasing Dominance of Teams in Production of Knowledge | Science

Collaborative Research in Sociology: Trends and Contributing Factors | SpringerLink

Multi-University Research Teams: Shifting Impact, Geography, and Stratification in Science | Science

“Undemocracy”: inequalities in science | Science

Principles of scientific research team formation and evolution | PNAS

Mapping a research agenda for the science of team science | Research Evaluation | Oxford Academic

Productivity Loss in Brainstorming Groups: A Meta-Analytic Integration

Creativity and negotiation research: the integrative potential

 

 

成功しない人ほど「夢」や「大きな目標」を掲げる 追記:(19/04/11)

 

 

失敗や現実から目を逸らす人程。「大きな目標」を掲げがちであることが科学的に判明しております。

 

デューク大学の2011年論文(1)で「企業の目標」と「成功率」の関係を調べた研究によると、業績の低い企業ほど大きな目標を掲げる傾向にあり、逆に業績がいい企業ほど大きな目標は立てず、生産性の悪化につながるリスクを減らし、現状に集中する傾向にあった。

 

また、埼玉大学の研究(1)によると人は、未来の自分に過程度な期待を寄せ、過去の自分が取った倫理的行動を過大評価し、逆に未来の自分が倫理的ではない行動に出る可能性を過少に評価し、過去の自分が犯した倫理的ではない行動を過小評価することが分かっている。

 

つまり、「大きな目標」を掲げる原因に必要のない風習や業績の上がらない企業のような、変化のリスクに耐える力の無く、現実から目を逸らし、過去の自分たちの悪い行いを過小評価し、未来の自分たちを過大評価する企業ほど、大きな目標を掲げがちということ。

 

ハーバードビジネススクールのワーキングペーパー(1)で、過去の実験や実例を元に「大きな目標設定」の欠点を主張している。

 

「目標設定の悪影響」の内容は

  1. 目標設定は視野を狭くして、他の可能性を見落とす
  2. 大きな目標は失敗した時のダメージが大きく、モチベーションの低下を招く
  3. 短期的な利益を優先して、長期的な利益を損なう
  4. 目標を達成するために、リスクの高い選択をして失敗する確率を上昇させる
  5. 目標に近づくために手段を択ばなくなる、倫理観の低下
  6. 目標を達成することに集中するので、経験からの学習心を低下させる

 

対策としては、正しい目標を掲げるには「条件を限定する必要がある」と2003年の論文(1)により主張されている。

 

正しい目標の条件とは

  1. 「自身」と「目標」の関係は大きくない(自分と目標はそんなに関係ない)
  2. 「自身」にとって「目標」はさほど重要ではない
  3. 「目標」の内容は具体的すぎず抽象的にする
  4. それぞれ掲げた「目標」に矛盾がないようにする
  5. 最終的に「目標」の行先が「金銭」ではないようにする

 

ということで、大事な目標は明確に掲げろ!という一般的な考えとは真逆な結果ですね。

 

参考

The paradox of stretch goals: Organizations in pursuit of the seemingly impossible.

企業行動倫理 と企業倫理イニシアティブ ーなぜ人は意図せずして非論理的行動に出るのかー

Goals Gone Wild: The Systematic Side Effects of Over-Prescribing Goal Setting

The hazards of goal pursuit.

 

 

 勝つチームとそうでないチームの違い 追記:(19/04/11)

 

 

これから成功する企業やチームの特徴は何か、チームにとって「チームワーク」と「個人の能力」はどちらの方が重要なのか。

 

例えば、スポーツで予算のあるチームが「実力が備わっている選手」をチームに招いても、チーム同士の予算の差ほど実力は開かない。

 

このチームの勝敗を左右する原因を様々なスポーツやチームを対象に「チームの成績(勝敗)」と「個人の能力」の相関性を回帰分析(1)をしました。

 

調査対象はこちら。

 

この研究によると「能力の高いプレイヤー」が居るほうが個々人の勝率は高くなるが、チームでの勝率にはさほど影響はなかった。

 

最も勝率に影響があったのが、既存のチームで過去の勝敗、同じメンバーで勝利し続けてきたかどうかがチームの勝率を左右していた。

 

つまり、1度勝利したチームは勝ち続ける可能性が高くなり、同じチームで勝利を重ねるごとに勝率が上昇(7%程度)していた。

 

なので、チームの勝敗を予測するには「既存のチームで過去にどの程度、勝利を重ねてきているか」が重要ということです。

 

研究者の考察によると、

当然、個人の能力はチームにとって重要だが、それよりもチームのコミュニケーション伝達がどの程度行われているのかが重要であり、勝利を共有することでコミュニケーションを積極的に図るようになる。そして、互いのことをより理解し、関係が密になることで「個人の能力」を遥かに上回るほどのチームが出来上がるのではないか。

とコメントしている。

 

「コミュニケーション」やそれによる「互いの信頼度」など、複雑な要素が高まることで「個人の能力」を持つ選手が多いチームよりも良い結果を生み出すということですね。

 

なので、同じチームで「過去にどの程度成功(勝利)を重ねてきたか」を見ることで、成功するチームや企業を見分けることができ、逆にチームの所属する人員がコロコロ変わる企業やチームは勝率を上げるには難しい

 

参考

これから勝つ企業・チームの見分け方 - YouTube

Prior shared success predicts victory in team competitions | Nature Human Behaviour

小さなチーム、大きな仕事――働き方の新スタンダード (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 

起業、投資のようなリスクを取るのに「向いてる人・向いていない人」の違い 追記:(19/04/02)

 

 

起業や投資のようなリスクを取って成功する人とリスクを極限まで減らしてコツコツ成功する人の特徴が科学的に判明しています。

 

幸福に関して、お金は不幸は減らしてくらますが、お金で幸せにはなれないことが分かっています。

 

年収が上がるごとに幸福度が上昇する傾向にあります(不幸が減らせるから)が、年収が910万円を超えると幸福度は上昇しないことがわかっており、モノではなく、「人生の意味(人間関係、新しい物事へのチャレンジ)」にお金を使うと幸福度が上昇することが科学的に分かっています

 

スターリング大学が18,527人の男女の「収入の変化」と「人生の満足度」を9年間にわたる追跡調査(1)によると、幸福度とビック5の「誠実性」に相関性があることが分かった。

 

この研究によると、大抵の人は収入が増加すると幸福度も一時的に上昇するが、すぐにフラットな状態に戻るが上がった収入が下がると、幸福度は激烈に低下することが分かった。

 

要は、収入が上がっても大して幸福度が上がらないが、収入が下がったときは大ダメージを受ける。

 

しかも、「誠実性(コツコツ続けるのが得意な人)」が高い人ほど、収入が下がったときに受けるダメージは大きい傾向にあった

 

つまり、「誠実性」が低い人はリスクを負うことにストレスを感じないので企業や投資に向いていて、高い人はリスクを負うストレスに弱いのでコツコツ成果を積み重ねたほうが成功しやすいということです

 

参考

起業、投資…リスクを取ることが向いてる人とそうでない人の違い - YouTube

Individual Differences in Loss Aversion: Conscientiousness Predicts How Life Satisfaction Responds to Losses Versus Gains in Income

 

 

仕事がデキる人になりたいなら、デキる人の隣に座れ 追記:(19/04/01)

 

 

人間は、隣人や周りの人間関係からかなり影響を受けるので、メリット(信頼、幸福)が得られない関係は速やかに切って捨てるのが幸福な人生を送るコツなんですが、なかなか決断できない人は多いと思います。

 

それは意思決定力や立場云々の話ではなく、「何を切るべき」で「何を残すべき」かが分かっていないから苦労します。

 

 

皆平等に与えられているのは、お金でも才能でもなく「時間」です。

 

そんな限られた時間をいかに大切な人との時間を割くために、「余計な関係を排除できるか」が重要な訳です

 

隣人とは、友達などは含まれず(身体的に)近くにいる人のことを指し、学校や仕事場で隣に座る人などがそうです。

 

ハーバード大学の研究で、大きなテクノロジー系企業に勤めている約2,000人のオフィスワーカーを対象に2年にわたって被験者の「労働具合」を調査した。

 

この研究では被験者を3つに分けて調査した。

  1. 生産タイプ(全体の25%):大量の仕事をこなすが、品質にはこだわらない
  2. 品質タイプ(全体の25%):品質の向上を優先するが、仕事量は少ない。
  3. 平均タイプ(全体の50%):質も量も平均的。

 

被験者の下記の「生産性(立場、熱意、費やす時間、自分一人の力でこなしたか、顧客の満足度など)」を調査した結果

  • 生産屋と品質屋の互いが隣では、生産性が17%、効率が17%上昇。
  • 平均屋と組ませた場合でも、それなりに生産性は上昇した。
  • 生産性の向上は、座席を変えたらすぐに上昇具合が表れる
  • しかし、同じタイプの労働者が隣に座ってもさほど影響はない
  • ネガティブな人が隣に座ると生産性はかなり減少する

 

つまり、人間は身体的に近い人に影響を受け、平均すると生産性の10%は隣の人に左右されていることが分かった。

 

つまり、成功したいならできる人の隣に行くべし、ということです。

 

しかも、集中力やネガティブな感情は他人に伝染し(1,2)、会社に嫌な上司や同僚がいるとプライベートを破壊する(3)ことが分かっているので、くれぐれも周りの人には注意したいところです。

 

参考

隣人の科学〜あなたの人生はあなたの周りの人で決まる - YouTube

Is mental effort exertion contagious? - PubMed - NCBI

Effect of task conditions on brain responses to threatening faces in social phobics: An event-related functional magnetic resonance imaging study

Emotional Mechanisms Linking Incivility at Work to Aggression and Withdrawal at Home: An Experience-Sampling Study

 

 

ブレやすい人の方が成功する 追記:(19/03/22)

 

 

 現代は昔と違い、「継続性」や「一貫性」よりも【柔軟性】を求められる時代です。

 

これはビジネスやプライベート問わず、変化が激しい時代で一つの物事(仕事、趣味など)が時代遅れになったとき、応用が利かずに失敗を招いて気付いた時には遅かった、なんてことは今の時代良くある話です。

 

例えば、現代の携帯は昔のソニーが作った「iモード(ネット)、ウォークマン(音楽)、カメラ機能(写真、動画)」を組み合わせたものですがiPhoneですが、これらはすでに日本で存在しているものを組み合わせただけです。

 

なぜ、日本でiPhoneのような携帯が開発されなかったのか。

 

それは「携帯に(カメラ機能、ネット、音楽)付けるとこれらの売れ行きが悪くなる」とそれぞれの部署から却下され、実現されなかったところappleが開発・販売し、大きなチャンスを逃してしまう結果を招きました。

 

このように今の時代は「ブレないで一つのことだけをやる」こととは「リスク」でしかありません

 

柔軟性が求められる時代に必要な正しい3つのブレ方

 

1.自分からブレること(自分からチャレンジする)

自身が「転職しようかな」と悩んでいる時に周りから「せっかく大企業にいるんだからそのままの方が良いんじゃない?」と言われると転職しようかブレてしまいます。

 

つまり、他人から言われて自身の判断がブレてしまうのは良くありません。

 

そうではなく、常にブレるのは「自ら」です。

 

自ら積極的にブレる、例えば、「〇〇が上手くいってるけど☆☆もうまくいきそうだな」と思ったなら乗り換えてみる。

 

「でも、冷静に考えると〇〇と☆☆を足してみるのが良いかも」と様々な可能性にブレる(関心を持つ)ことが重要です。

 

他人に流されるならその前に自分からブレる(関心を抱く、チャレンジする)ことが大切です。

 

2.「ブレる」を「試す」に言い換える

ブレることとは自身が試そうとしている時と考え、試したことが失敗したならもとに戻っても良いです。

 

例えば、Aが魅力的だから試してみて違うと思ったなら戻っても良い。もしくは、Aの良い所があったならそれだけ持ち帰る。

 

つまり、「ブレる」こととは「試行錯誤を繰り返す」ということです。

 

逆に失敗すると元に戻れない、失敗が許されない環境とはリスクにリスクを重ねているに過ぎないので、そのような完璧主義な環境で働くと鬱た自殺率が上昇することが分かっています。

 

3.安定した時こそブレることが大切

最初は面白い発想や様々な試行錯誤をしていたにも関わらず、成功するとそれらが出来なくなってしまう場合があります。

 

それは、成功するとその状況に甘んじたくなる精神が働くのが原因です。

 

成功した状況を崩したくないがために、新しい物事へのチャレンジや試行錯誤を辞めてしまい、安定に落ち着いてしまいます。

 

なので、安定している時こそブレることが大切です。

 

安定している状況を脅かさない程度のブレ(チャレンジ、試行錯誤)が大切です。

 

若い人に安定を求める場合が多くなっていますが、年齢を重ねるごとに自分を鍛えたり、コンフォートゾーン(安心感があり居心地が良いと感じる領域、家や顔見知りの環境など)からでるトレーニングを行っていないとチャレンジする能力が衰えていきます

 

なので、身体と脳が柔軟な若い時こそブレる(チャレンジ、失敗、試行錯誤)が大切なのです。

 

さすがに仕事でブレることはできない、というならプライベートの一部の時間を使ってブレれば良いし、仕事や趣味問わず、お金を稼ぐ系(副業など)の方が結果が分かりやすいのでおすすめです。

 

ブレた結果、「成功したのか、失敗したのか」や「自分のブレが正しかったのか」などのフィードバックが数字で表れないと自己満足で終わってしまう場合が多いですので注意してください。

 

参考

ブレまくる人が成功する!科学的に正しいブレ方とは - YouTube

すごいヤツほど上手にブレる (T's BUSINESS DESIGN)

 

 

飽き性な人ほどIT起業に向いている 追記:(19/03/14)

 

 

IT起業とは、インターネットを使ってビジネスをする人のことを指し、ITを使って起業するのに向いている人と向いていない人との中で最も関連性がある性格特性は開放性(ビック5)であることが分かっています

 

開放性、つまり新規探求性(新しいことを求める)や見たことのないものに興味を示すなど、いわゆる好奇心が旺盛な人のことで飽き性な面もあったりします。

 

2015年、オスナブリュック大学のメタ分析(R)でITスキル(プログラミング、新しいサービス、最新のガジェット)の高い人の特徴を調査した。

 

1974年から2014年の40年の間で1695人の被験者のデータを抽出し、ビック5(科学的に最も信憑性のある性格診断)や知能のレベルとITスキルとの関連性を調査した。

 

結果、ITスキルが高い人は

  • 知性が高い(頭が良い)
  • 内向性が高い(関心が自分自身にある)
  • 誠実性が高い(一つの物事をコツコツこなす)
  • 開放性が高い(新しい物好き、好奇心旺盛)

の4つに関連性があった。

 

この4つの特性の中で特にITスキルと相関性があったのは「開放性(好奇心)」でそこからかなり差が開き知性、さらに差が開き誠実性や内向性であった。

 

誠実性が高いと社会的に成功しやすいと言われていますが、ITで起業する人の場合はもちろん誠実性や内向性は大切ですが開放性が最も重要です

 

ITで起業するのに向いている人とは、開放性(好奇心)とそれなりの知性がある人。つまり、新しいことに手を出しまくる飽き性な人にIT起業は向いていることが科学的に分かった研究でした。

 

参考

IT起業に向いてる人の性格が明らかに - YouTube

What makes a computer wiz? Linking personality traits and programming aptitude - ScienceDirect

 

 

「報われない努力」と「報われる努力」の違い 追記:(19/02/25)

 

 

「報われない努力」を「報われる努力」に変えるには成長マインドセットという考え方が重要です。

 

マインドセットとは、経験や教育、生まれ持った性質などから形成される考え方のことで、「成長型」と「固定型」の2つのマインドセットに分けられます。

 

  • 成長マインドセットは「自分の能力は努力によって改善していくことができる」という考え方のこと。
  • 固定マインドセットとは「自分の才能、資質、性格は持って生まれたもので、変えることはできない」という考え方です。

 

この成長マインドセットを持つ人は、常に成長していけるので努力が無駄にならないことが多く固定マインドセットの「能力は変えられない、未来は変えられない」と考えると成長しないので努力が無駄になってしまうことが自然と多くなる

 

しかし、ここで重要なのがこの「成長マインドセット」と「固定マインドセット」は人間の中でコロコロ入れ替わっているということ。「運動は得意(成長マインドセット)だけど勉強は苦手(固定マインドセット)」のように自分の中で可能性を勝手に決めつけてしまうことがよくあります。

 

なので、「報われない努力」を「報われる努力」に変えるには今自分が成長マインドセットなのか固定マインドセットなのかチェックして認識する必要があります。

 

つまり「報われない努力」をする人の特徴は、このマインドセットが切り替わることを分かっていないので

  • 「今自分がやっている仕事は、いつもと同じ内容で学ぶことなんてない」
  • 「俺は常に柔軟な考え方を持っていて、仕事を頑張ってるのに成果が出ない」

のように固定マインドセットに陥っていることさえ気付けない

 

「報われない努力」から脱出するには

  • 継続的な努力

毎日続けられる程度の努力、無理をしすぎないことがポイント。「一定のパフォーマンスを維持できる人が、何歳になっても成功を掴む人の特徴」であることが研究によって分かっている。

 

意思の力に頼り続けなければいけない努力は報われにくい。なので、普段の生活をしながらでも続けられるような努力を決めて、その努力を効率よくこなせる方法を模索することが重要です。

 

  • 正しい戦略

どうすれば

「最短で自分のすべきことを達成できるのか」

「やっていることが正しく進んでいることをを認識できるのか」

をちゃんと考え戦略を立てることが大事です。

 

例えば、「筋トレを毎日やろう」ではなく、

「何時に筋トレをやると(仕事的に)効率なのか」

「筋肉が一番付きやすい時間帯はいつなのか」

「初心者には週何回程度で、筋トレの強度はどの程度が習慣化させやすいのか」

「筋肉をつけるのはトレーニングだけでなく食事も重要なのではないか」

戦略を考えないでただがむしゃらに努力を続ける努力は無駄になってしまうので、気を付けましょう。

 

  • リソースの有効活用

やればできるは、ただやれば出来るわけではなく、「(有効な方法だったら)やればできる」というのが現実です。

 

例えば、子供のマインドセットを鍛えるには「成果」や「結果」を褒めるのはダメです。「良い点をとった、良い成績を残した」などの「成果」を褒めると子供はかえってズルをしやすくなることが分かっています。

 

 

「結果」ではなく、毎日勉強した積み重ねである「結果に至るプロセス」を褒めることで「マインドセット」を成長させ、結果を出しやすくなる

 

子供だけでなく大人も同じで、「やればできる」ではなく「何がどうやれば出来るのか」をチャレンジしながら、毎日の行動に重きを置くことで、「結果」がついてくる。

 

なので、「失敗はダメな事」という認識は取っ払い、「どこ」が駄目だったのか、「なに」をすればよかったのかなど、戦略を立てるために結果を利用することが重要で、ただ結果を追い求めるのは「報われない努力」になってしまうということが判明した研究でした。

 

参考

報われない努力から卒業する方法がこちら - YouTube

Mindset - Updated Edition: Changing The Way You think To Fulfil Your Potential

 

 

「好きを仕事にする・しない」の幸福度は科学的に変わらない 追記:(19/02/12)

 

 

現在の科学では「好きを仕事」にしてもしなくても人生の幸福度は変わらないことが分かっています。

 

 

仕事への向き合い方と幸福度の関連性

 

2015年、ミシガン大学アメリカ)の研究(R)で222人の被験者に「仕事への考え方」と「個人の幸福度」を調査した。

 

結果、人間は仕事への「適合派」と「成長派」のどちらかで、それぞれ特徴が存在し、成功率はどちらも変わらないことが分かった。

 

適合派

  • 適合派は、自分に合った仕事を見つけようと考え、給料が低賃金でも仕事に「意義」や「情熱」を見出そうとする
  • 統計的に大半の人が適合派に当てはまる
  • 適合派は転職率が高い。
  • 自分に合う仕事を追い求めるのでどんな仕事も「嫌なところ」が見え、幻滅することが多い
  • 適合派は、妥協点を見出す訓練をしておかないと「理想と現実のギャップ」に苦しみ、転職を繰り返すことになる

 

成長派

  • 成長は、仕事を続けていくうちに楽しみが芽生え、仕事が楽しくなくとも粘り強く続ける。楽しくなくとも「給料」や「成果」を求める
  • 成長派はかなり少数。
  • 成長派の転職率は低い
  • 我慢強いので過酷な労働環境やブラック企業でも耐えようとし、体調を崩したり、精神的に苦労することが多い
  • 成長派は、仕事の環境や人間関係、給料が適切かどうか確かめて、適切でなければ環境を変えるか勇気をもって転職した方が良い

 

 

仕事に対して「好きかどうか」ではなく、どのようにすれば「好きになれるのか」、「楽しみ」や「情熱」を見出せるかなど「仕事への向き合い方」の方が幸福度には重要だったことが分かった研究でした。

 

参考

性格別!後悔しない仕事選び - YouTube

Finding a Fit or Developing It: Implicit Theories About Achieving Passion for Work

 

 

上司が無能になる理由 追記:(19/02/08)

 

ローレンス・ピーターが提唱した「ピーターの法則」とは、時間の経過とともに出世する仕組みの階層社会では、自分の能力の限界を超える地位に就いてしまった人は無能になってしまうという法則。

 

2018年、MIT、イェール大学の共同研究(R)で「ピーターの法則」は実在することが分かっています。

 

214社の販売員53035人を対象に、2005年-2011年の6年間の業績に関するマイクロデータを追跡調査を行った。

 

結果、業績が上位な被験者ほど地位が昇進するのに比例して能力が低下する傾向が見られた。

 

原因としては、地位が昇進するほど「販売以外の仕事(マネージメントなど)」が増え、本人はあくまで「販売のエリート」であって、「販売以外の仕事のエリート」ではないので適切な「販売以外の仕事の方法」を理解していないからと考えられる。

 

つまり、自分の能力の限界を超える地位に就いてしまった人は無能になってしまう「ピーターの法則」が見られた。

 

スポーツのように「組織」を上手く維持していくには「上か下か」ではなく、誰がどの役目なのかの「適材適所」の方が重要です。

 

組織を「牽引する役」「マネージメントする役」「仕組みを組み立てる役」「アイディアを出す役」のように能力に合った役職に就くことが重要で、自分の能力を超えた地位に就いてしまうと組織自体の崩壊を招いてしまいます

 

つまり、「必ずしも昇進するのが成功ではないよね」という研究でした。

 

参考

上司が無能になる理由とは - YouTube

Promotions and the Peter Principle

 

 

時間をお金に換算する時給は人を不幸にする 追記:(19/02/05)

 

 

時給と幸福度

 

2015年、ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)のアシュリー・ウィランズとエリザベス・ダンらの研究(R)で、「お金を時間に換算する時給は人を不幸にする」ことが分かっています。

 

イギリスの5000世帯からの10,000人を超える被験者のサンプルからデータを分析し、「毎時支払われる『時給制』の2,802人の回答者」と「給料が支払われる『給与制』の4,128人の回答者」の行動を比較した。

 

結果、時給労働者は多数の人口学的要因が考慮しても、給与労働者と比較して環境行動への関与の頻度が少ないと報告した。

 

つまり、「1時間働くといくら」の計算が出来てしまうと常に「今働いてたら〇〇円くらい稼げたのに」と漠然とした不安に襲われ、子供の時のように学校から帰ってきたら遊び(友達やゲームなど)を純粋に楽しめたことが、時間がお金に変わるということを知ってしまうと何気ない日々の幸せを楽しめなくなってしまうということです。

 

仕事や余暇含めたものが「時間」なので、この限られた時間の中で「仕事」と「余暇」との葛藤が生まれ、この葛藤が人間に不幸をもたらし負のスパイラルに陥ることが分かっています。

 

なので、「時間」をお金に換えるのではなく「アイディア」で勝負しないと今後の時代は生き残っていけないよねっていう研究結果でした。

 

参考

高給取りでも不幸になる時給労働の恐怖 - YouTube

Thinking about time as money decreases environmental behavior - ScienceDirect

 

 

サンクコスト(埋没費用)と機会損失 追記:(19/02/01)

 

 

バイアスとは、偏見、偏りのこと

 

サンコスト*1とは、回収することが不可能な費用のという意味

 

サンコストバイアスとは、コスト(お金、時間)を掛けたのだから継続しようとする考え方の偏り(バイアス)のこと。

 

恋愛でサンコストバイアスに陥ると、年齢が上がるにつれて恋人との考え方、ライフスタイルが合わなくなっても「せっかく、数年かけて築き上げた関係を崩したくない」、「新しく恋人を作って時間を掛けて関係を築くのが大変」と恋愛で消費したコスト(時間、労力)が戻ってこず、関係を続ける意味がないにも関わらず続けてしまう

 

ビジネスでは、新しい企画に数年掛けて開発したものが、失敗したとしても「アプローチの仕方を変えるとペイ(採算)出来るのではないか」、「せっかくコストを掛けたから絶対成功させる」とコストのペイする見込みのない事を続けようとする

 

サンコストバイアスの対策は、
「もしも労力を使っていないとしたら、今からこの企画に投資するか?」
「今これをやめたら、何に時間とお金を使えるんだろう?」

を現実的に考えること。

 

機会損失とは、ある行動をするときには違う行動をする機会を逃していること

 

「もったいないから」という理由で、利益を生む最短の手段を使わずに時間の掛かる手段でコスト(時間、労力、お金)を消費すると、全体の利益を増やす機会を見逃してしまう

 

朝の朝礼、会社の仕来り、会議などに消費するコスト(時間、労力、人件費)を無駄に浪費し、有効活用していればメリットを得られたはずの機会を見逃すことを「機会損失のバイアス」と言います

 

参考

The psychology of sunk cost - ScienceDirect

American Economic Association

 

 

現金よりもカード(クレジット、電子マネー)の方が散財しやすい 追記:(19/01/30)

 

 

人間は現金で支払うよりも、カードで支払う方が散在しやすいことが分かっています。

 

 

現金とクレジットカード

2010年、オックスフォード大学(イギリス)*2の研究(R)で「クレジットカードで買い物をすると、意思決定が緩くなる」ことが分かった。

 

実験内容

アメリカの1000世帯を対象に6ヶ月間、日常的な食料品を買うときに「現金」と「クレジット決済」の「支払い方法が買い物にどのような影響を与えるのか」を追跡調査を行った。

 

結果、支払い方法が違うと買い物の内容に違いが表れ、クレジットカード支払い(電子マネー含む)は「不健康な物(お菓子、ジャンクフードなど)や余計な物を衝動買いしやすい」ことが分かった。

 

人は金額ではなく「紙幣の形」に愛着を抱き、物理的な形状を伴っていないお金には愛着を感じないのでカードでの支払いは散財しやすい。

 

しかも、「古札」より「新札」の方が財布の滞在期間が長い。

 

海外では現金よりカード支払いの方がチップ(サービス料)が多めに支払う傾向があり、オークションのような同じ商品を比べた時に購入する際にカードの方が大きな金額を入札しやすい。

 

現金を軽視するわけでなく、カードで支払うときは2倍ほど消費しやすいので気を付けましょう。

 

クレジットカードの普及の影響

イギリスでクレジットカードが普及し始めた1990年から2013年の間で、「個人債務(借金)」などを調査(R)した。

 

結果、個人債務は314%(3倍)、住宅ローンは家計の総債務の89%を占め、1990年の85%から増加した。

 

昨今、電子マネー、端末やカードなど「お金を感じさせない支払い方法」をさせることで、企業は消費者に散財させて利益を上げている割合が増加し、日本の政治でも見られる「カードの普及」を煽る運動は、これらが原因であるかもしれません。

 

参考

How Credit Card Payments Increase Unhealthy Food Purchases: Visceral Regulation of Vices | Journal of Consumer Research | Oxford Academic

UK household debt more than quadruples since 1990 | This is Money

Always Leave Home Without It: A Further Investigation of the Credit-Card Effect on Willingness to Pay | SpringerLink

Do consumers pay more using debit cards than cash? - ScienceDirect

The Effect of Payment Transparency on Consumption: Quasi-Experiments from the Field | SpringerLink

 

 

「滅多に起こらないこと」は起こりそうに見える

 

 

滅多に起こらないバイアスとは、「滅多に起こらない出来事」が「起こりそうに見える」人間の性質のことです。 

 

人間は飛行機の事故やテロのネガティブなニュースを目にすると、同じ目に遭うことを恐れて乗らなくなる傾向があります。

 

例えば、横断歩道を渡るとき決死の思いで渡る人はなかなかいません。

 

それは毎日起きていると言われている交通事故でさえ、頻繁に起こることでは無い、多少ボーっとしていても携帯を見ていても(ホントはダメ)、左右の確認してれば安全に渡れることを知っているからです。

 

しかし、統計的に「交通事故に遭う確率」よりも「奇病に掛かる確率」の方がかなり低い、その「奇病に掛かる確率」よりも「飛行機が墜落する確率」の方がさらに低い

 

 

テロリストが「年間に50回飛行機をハイジャックし、生存者なしの事故」を起こしても交通事故に合う確率とさほど変わらない

 

人間は「いつ、どこで、だれが、なにを、どのように」起こすかが分からない、不透明な「予測できないネガティブ」は必要以上に大きく見えるので、合理的な判断が下せなくなり「いつでも起こりそう」に見えてしまいます

 

この滅多に起こらないバイアスを使ったビジネスが【宝くじ、保険】です。

 

もしかしたら、「宝くじが当たるかも」「事故に遭うかも、大きな病気にかかるかも」と合理的な判断ができなくなることを利用したビジネスということです。

 

参考

気づかないと人間関係で損する思い込み(バイアス)を解説してみた - YouTube

Sources of bias in the prediction of future events - ScienceDirect

Negativity Bias, Negativity Dominance, and Contagion

 

 

その時の気分でお金を使ってしまう「心理会計」

 

 

人間は心理的な状況によって使うか使わないかの判断が異なってきます。

 

チケットと現金

ダニエルカーネマンの「1万6000円(160ドル)のシアターチケット(オペラなど)」と「現金1万6000円」を紛失した場合にどのように心理会計が働くか調査した。

 

実験内容

会場に入ろうとすると

  1. 入口で「1万6000円したシアターチケットを紛失した」ことに気付いた。
  2. チケット売り場で「現金1万6000円を紛失した」ことに気付いた。

幸い別途を用意していたのでもう一度1万6000円払えば、当日券を買って入場できる。

 

この時チケットを紛失した①が再度購入する確率は10%だった。

しかし、1万6000円の現金を紛失した②は再度購入する確率は50%だった。

 

ここで重要なのは、「買うか買わないか、得か損か」ではなく「この二つの感覚に違いがある」ことです。

 

タクシーと自家用車

日本の平均的な収入を得ている人が日常の場面で、タクシーを利用すると少し贅沢な気分になる人が多い。

 

しかし、地方の長距離を移動する必要のある人や好みで車を利用する人など以外は「自家用車を購入する」より「タクシーを利用する」ほうがお金が掛からない(特に都会)。

 

日常的にタクシーが通るような地域では自家用車の方がお金が掛かり、自家用車の1年の維持費(駐車場代、車検、購入金額を含まない)が平均30~50万円ぐらいと言われています。

 

1年が約52週なので

「維持費30万円の場合:1週間 5769円」

「維持費50万円の場合:1週間 9615円」

1週間で最大1万円がタクシー代に使える。

 

維持費は、車検や購入金額が入っているわけではないので30~50万円以上使えることになる。

 

特に会社員、自営業や単独でビジネスをしているとタクシー代は交通費として全額経費で落とせます。

 

しかし、個人で車を購入するとどんなに頑張っても購入金額の半額しか経費として認められない。300万円の車を購入しても半額の150万円から所得に応じた控除が認められる。

 

つまり、「自家用車に150万円(購入金額)使う」と「タクシー代に300万円使う」とは財務的には変わらない。

 

例外もあり、企業の社長が黒字のときに価値が下がりづらい車(ポルシェ)を購入することで、経営が傾いたときに車を売りお金を作る税金対策をしている場合もある。

 

購入費を減価償却で数年かけて経費で支払い清算を終えると帳簿上は1円になり、赤字のときに売ることで売った金額に税金が掛からない。

 

タクシーを使えということではなく、タクシー代はケチるのに自家用車代は疑いもなく払う(自家用車のほうがお金が掛かるのに)という心理的に財布が分かれている。

 

日常的な心理会計

例えば、「みんなと食事に来たんだし少し高いお酒でも飲もうかな」という判断をしてしまい、自宅で飲むときの3倍ぐらいするようなお酒を飲んでしまう。


普段、自宅で飲むときは飲食は【食費】から、お店で飲むときには【外食費】から会計されていて、同様に旅行に行った時もレジャー費と考えてついつい余計な出費をなど、状況によって心理的に財布が分かれていることを心理会計と言います。

 

そして、心理的にお財布の紐が緩くなるが「旅先」です。

 

旅行や外出する機会が多い旅先では最も心理的にお財布の紐が緩くなりやすく、さらに夏などの季節が加わるとドーパミンが分泌し、テンションが上がって意思決定が甘くなり散財しやすくなります。

 

シカゴ大学リチャード・セイラー教授が唱えた、行動理論の「ナッジ」という「人の心には会計があり、お金を目的、性格、状況など、どういうものに使うか心の中で分けている」という心理的に価値が違うことを示しています。

 

参考

お金で損する人、得する人の心理学 - YouTube

Mental accounting matters

Mental Accounting, Loss Aversion, and Individual Stock Returns

 

 

購入金額が高額になるほど細かい金額に無頓着になる「相対思考」

 

 

人間は高額なものを買うとき値下げの金額に無頓着になりやすい性質があります。

 

例えば、「300万円の車」を購入するときオプションが付いて合計320万円になっても気にならないのにビデオカメラの10万円と20万円の差は大きく感じます。

 

高額価格と日常的な価格の相対思考

旅行先でサイクリング用のロードバイク(自転車)を借りるとき

  1. 自身の借りているホテル近くの「2500円で借りれるAレンタル屋」
  2. 10分歩いた先にある「1000円で借りれるBレンタル屋」

この二つは金額が異なるが借りる内容は一緒とします。

 

こうするとほとんどの人が差額1500円の為に、②の10分歩いて「1000円で借りれるBレンタル屋」に行こうとします。

 

ところが、車を一台購入するとき

  1. 目の前のディーラーで購入すると「300万2500円」
  2. 10分歩いた先のディーラーで購入すると「300万1000円」

二つを比べると②を選択するのが合理的ですが、目の前に¥3,002,500の見積もりを出された当事者になると①を選んでしまう場合が多いです。

 

つまり、金額が大きくなるにつれて人間の意思決定が甘くなり、日常的な価格では合理的なのに高額な買い物では付属コストや価格の端数に無頓着になることを「相対思考」と言います

 

実際ダニエルカーネマンらの研究でも、この相対思考は定価の金額に依存することが分かっています。

 

参考

お金で損する人、得する人の心理学 - YouTube

Optimal strategy of multi-product retailers with relative thinking and reference prices - ScienceDirect

The effect of relative thinking on firm strategy and market outcomes: A location differentiation model with endogenous transportation costs - ScienceDirect

 

 

得より「後悔するかも」と思った方ががお金を使ってしまう「損失回避」

 

 

 人間は、「得をしたい性質」よりも「損をしたくない性質」の方が強く働きます。

 

しかし、「損をしたくない性質」が働き後悔を避けることで、逆にチャンスを逃しやすくなってしまう損失回避に陥りやすいことが分かっています。

 

損失回避とは、「人間は損をしそうになると余計なリスクを選択してしまう性質」のこと。

 

コイン実験

ダニエルカーネマンの実験で、コイン投げを使って損失回避の性質を調査した。

 

実験内容は

A:10万円(1000ポンド)を貰った後にコイン投げると

勝利:10万円加算される(10万円の得:計20万円獲得) 

負け:加算分の10万円が得られないだけ(損得なし:計10万円獲得)

投げない:5万円加算される(5万円の得:計15万円獲得)

 

B:20万円(2000ポンド)を貰った後にコイン投げると

勝利:20万円はそのまま持って帰ることができる(損得なし:計20万円獲得)

負け:半額の10万円を返却する(10万円の損:計10万円獲得)

投げない:5万円返却する(5万円の損:計15万円獲得)

 

このAとBの結果は同じだが、

Aの場合、コインを投げずに確実に5万円を選ぶ人の方が多く

Bの場合、コインを投げる人が多かった。

 

得られる結果は同じだが損をすると感じた人は回避しようする性質が働き、「損をしたくない性質」は「得をしたい性質」よりも強く働くことが分かった。

 

 つまり、「損をする、チャンスを逃す、もったいない」と煽られると損失回避が刺激され、余計なリスクを取ってしまい不必要な出費が増える理由でもあります。

 

3500万年前から存在する損失回避

イェール大学(アメリカ)*3アカゲザルを対象に行った実験で、サルにも損失回避の性質が確認されている。

 

サルやチンパンジーは、コイン(代用貨幣)がブドウや果物などの食べ物と交換できることを教えるとコインを使えるようになる。

 

実験内容

檻の中にAとBのコイン交換所を作り、コインを持っていくとブドウと交換するシステムを用意した。

Aの交換所では「1つのコインで、2つのブドウ」が貰える。

Bの交換所では「1つのコインで、1つのブドウ」が貰える。

 

そうすると、アカゲザルはたくさんブドウの貰えるA交換所に行く。

 

しかし、途中から

Aの交換所では「2回に1回は1つのブドウが得られる(50%の確率で損をする)」

Bの交換所では「2回に1回は2つのブドウが得られる(50%の確率で得をする)」

そうすると、アカゲザルは71%の確率でB交換所に行くようになった。

 

ポストコード・ロッテライ

ポストコードとは郵便番号のことで、「ポストコード・ロッテライ」はオランダ国内のどこかの住所が宝くじの当選番号となる。

 

購入者が自身の個人情報と銀行口座番号、一カ月分のくじ購入本数をHPに登録するだけで、くじ費用も口座から自動で引き落とされる。

 

くじの購入本数に応じて当選金が支払われる仕組みのオランダで最も人気な宝くじ。

 

つまり、「自分の住所が当たったら損じゃん」という損失回避を利用したビジネスです。

 

しかも、口座から自動で引きとされる仕組みなので余計に散財しやすくなります。

 

 参考

お金で損する人、得する人の心理学 - YouTube

Loss Aversion in Riskless Choice: A Reference-Dependent Model* | The Quarterly Journal of Economics | Oxford Academic

Consequences of regret aversion in real life: The case of the Dutch postcode lottery - ScienceDirect

 

 

化粧品や高級品がもたらす「プラシーボ効果(偽薬効果)」

 


「お金を払った方が良いこと」と「お金を払っても仕方のないこと」の区別がつかず、【払った分だけの効果を得られるのか】を理解していないと「余計なものにお金を使っちゃた」となる人が多いです。


人間は払う金額が上昇するほど効果的がより得られるというプラシーボ効果に陥ります。


プラシーボ効果*4とは、科学的に効果のない薬で「効果が得られたような錯覚」に陥ること。いわゆる偽薬です。

 

金額の高い鎮痛剤ほど痛みが治まりやすい
日常的にアスピリンロキソニンなどの痛み止めを服用している女性を調査した研究で、鎮痛効果の3分の1は「薬のブランド力によるもの」であったことが判明した


つまり、金額が上がる鎮痛剤を服用している女性ほど「痛みが治まるような気がする」プラシーボ効果に陥っている。


学生を対象に、市販の風邪薬でどのような効果が得られたか調査した実験で、「セール中の薬」より「定価で薬」を購入した人の方が治癒速度が速かったと答える割合が多かった

 

価値を理解していないと金額に踊らされる

コーネル大学アメリカ)*5がビュッフェなどの「金額が異なる食事をした時、身体感覚に変化が表れるのか」を調査した。


「内容は同じだが4ドルと8ドルの金額が異なるビュッフェ」を別々の日程で食事を行った。

 

結果、量や内容も違いは無いが「4ドルの日は満足度は低く、食べ過ぎた感覚を感じ」、「8ドルの日の方が内容や量に満足感を感じていた」。


つまり、物の価値を理解していない人は心理的にかなり金額に左右されていることが分かった。

 
そんなプラシーボ効果を利用したビジネスが【化粧品、高級品】です。


例えば、肌の保湿するためには長時間保湿を維持する必要がありますが、化粧水では成分が1、2時間で空気中に蒸発してしまい保湿効果が得られず、これではお金を空気中にばら撒いているのと変わりません。


肌のコラーゲンを生成するプロテインたんぱく質保湿はクリームや、おすすめはココナッツオイル余計なシワを防ぐ肌のターンオーバーを早めるワセリン(肌がカサカサになるので週1)、外に出るときは紫外線を防ぐ日焼け止め、科学手的にこれらでスキンケアは十分です。


このように肌の質を維持するために何が効果的なのかを理解しておかなければプラシーボ効果に陥ってしまいます


高級品では、プラダ」と「ラルコバレーノ」の商品を作っている素材や職人などの工場はほぼ同じです。作りはほぼ同じですが「プラダ」というブランド名が加わるだけで「ラルコバレーノ」よりも金額が何倍にも跳ね上がります。


つまり、ブランドのロゴに価値が付加価値があるということですが、人間は精神的に不安定な人程、高級品や見た目を固めることが分かっています。


なので、質の良いものを求めているのであれば質が同じで安いものを選ぶのが合理的かつ経済的で、精神的に安定していることになります。

 

参考

ついつい高いモノを買ってしまう癖を治す方法 - YouTube

Placebo Effect: Theory, Mechanisms and Teleological Roots - ScienceDirect

Cognitive structuring and placebo effect - ScienceDirect

Price placebo effect in hedonic consumption - ScienceDirect

Abundant rarity: The key to luxury growth - ScienceDirect

Does luxury have a minimum price? An exploratory study into consumers’ psychology of luxury prices | SpringerLink

The pharmacodynamics of placebo | Neurology

 

 

自分の持っている物を高く見積もる「授かり効果」

 


人間は自分の持っているものを高く見積る授かり効果に陥っている人が多い。


授かり効果とは、自分の持っているものを高く評価し、手放したくないと考えること。 自分がすでに持っているものを高く評価してしまうのは、それを失うことによる損失を強く意識しすぎてしまうのが一因とされる。

 

授かり効果
ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーが、学生を「売り手」と「買い手」に分け、売り手側にコーヒーマグ(マグカップ)を渡す実験で、「売り手」に「いくらで売るか」、「買い手」に「いくらで買うか」それぞれ物の価値を見積もらせる質問を行った。


結果、買い手側は「2.25ドルまでだったら払ってもいい」と答え、売り手側は倍の5ドル以上を見積もり、買い手が値下げ交渉を行っても5ドル弱までしか下がらなかった


つまり、自身の所有物は客観的に見た時よりも倍良いものに見えてしまうことが判明した。

 

スーパーボールとキーホルダー
子供を対象にした実験で、「スーパーボール」と「キーホルダー」のどちらが欲しいかアンケートを行た結果、ほとんどの子供はスーパーボールと答えた。


アンケートの後、スーパーボールとキーホルダーをランダムに配布し、スーパーボールを貰った子供には「キーホルダーとの交換」、キーホルダーを貰った子供には「スーパーボールとの交換」を提案した。


結果、「最初はスーパーボールを求めたがキーホルダーを貰った」子供の内40%は交換に応じなかった。


原因は、キーホルダーを貰った子供は執着が沸き、授かり効果に影響されたからと考えられる。


この授かり効果はよくも悪くも使い方で変わってきます。

 

例えば、大掃除のとき「要らないもの、必要なくなったもの」が授かり効果によりよく見えてしまい捨てられない現象が起こります。

 

この「授かり効果」で気を付けなければならないのが、売り時を逃してしまうこと。

 

愛車の買い替え時期について
相場6000ドルの愛車を新車に買い替えるときの調査で、内容は買い手は下取り価格を提示して買取価格を新車の購入価格から引く。

この時に二つのグループにディーラーを分け、異なる提示条件を提示した。


提示内容は

①買取価格6500ドル+新車の販売価格8500ドル 支払価格2000ドル
②買取価格5500ドル+新車の販売価格7500ドル 支払価格2000ドル

支払価格は両方とも同じですが、提示内容が異なるものにした。

 

結果、ほとんどの人が買い取り価格が高い方を選び、人間は自分の持っている物を高く評価する方を選びやすいことが判明した。

 

参考

ついつい高いモノを買ってしまう癖を治す方法 - YouTube

Egocentric empathy gaps between owners and buyers: Misperceptions of the endowment effect.

Regret, disappointment and the endowment effect - ScienceDirect

 

 

Give&Take(与える人・与えられる人)

 

 

親切をしても報われる人報われない人の違いについて。

 

基本的に親切を行うことによってそのリターンを得られることを返報性のルールと心理学では言う。ビジネスや交渉のような短期的な場面で役立てる返報性のルールを日常的のよいな長期的な場面で使うにはどのように行えばよいのか。

 

アダムグラントの「GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)」参照。
アダムグラントとは組織心理学の専門とする、ウォートン・スクールの最年少終身教授。

 

返報性のルールには3つのタイプの人間がいる。
この3つのどれもは基本的に親切であるが目的が違ってくる。


与える人- Giver(ギバー)

  • 親切や利益を貰える分より多くを与える人。
  • Giver&TakerのGiverに偏りがある人。
  • 与えることによりネットワークを形成し多くの人の力を使う。
  • TakerよりGiverの人は社会的に成功する可能性が高い。
  • 自分の利益は低い。

しかし、その考え方に同調する人を集めネットワークを作ることによりより大きな価値を生み出すことができる。

 

貰う人- Taker(テイカー)

  • 利益を貰える人・奪う人。自分が与える分より多くも貰おうとする人。
  • Giver&TakerのTakerに偏りがある人。
  • 手に入れるために与える人の特徴。 
  • Takerの人はその収益の中からより多くの利益を得ようとする。
  • 同じチームで仕事をすることの少ない。

 

与える&貰う人- Mucher(マッチャー)

  • 与える・貰うことが両方できる人。貰った分は与え、与えた分は貰う人。
  • Giver&Takerの偏りの少ない人。
  • 互いの利益のバランスを執る。

 

しかし、業種や場面でGiverにデメリットが出てくる場合もある。


エンジニア・医学部生・セールスマンなど成績が出る職業を調査した研究によると一番下にいる人たちはにいる人たちはGiverが多かった。

 

Bottom Giver (最底辺)の特徴

  • エンジニアの場合、他人の仕事を受け自分の仕事が進まない。
  • 医学部の場合、雑務を頼まれ自分の仕事に集中できない。
  • セールスマンの場合、自分の成果を他人に譲ってしまう。

 

質の高い仕事をしているにも関わらずTakerに奪われ自分の利益が得られない人がボトムに多かった。その場合、上司や世間からのボトムにいるGiverの人たちの評価や収入が著しく低かった。数値的には14%、TekerやMucherより少ないことが分かっている。

 

しかも、友人や知人から詐欺に遭う確率がTekerやMucherより2倍高く、人を動かす影響力(Influence)も22%少ない。売り上げに関してもTakerやMucherのほうが2.5倍高いことが分かっている。

 

GiverでもトップのGiverとボトムのGiverに分か、ここに金銭的な有無は関係ない。注意:お金やお金の掛かるものを与えないとGiverになれないという発想はTakerよりの発想になってしまう。ここで大事になるのはお金を使わず別の何かを与えることが大事になる。

 

Top Giverの特徴
ベルギーの医学部の調査で成績がTakerやMucherより11%高いことが分かった。セールスに関してもTopのGiverはTakeやMucherより平均50%年収が高かった。つまり、ボトムのGiverはGiverであることよりGiverという性質を理解していないことが問題である。

 

Giver・Taker・Bottom Giverの一番の違い

  • TakerやMucherは自分の利益を最大化するために与える。
  • Giverは自分たちの利益を最大化させるために与える。

 

トップとボトムの違いは利益を得る中に自分が入っているかどうか。

 

ボトムのように自分の利益を削って与えてしまうのは絶対にやってはいけない。トップは自分を含めた利益のπを大きくすることにより自分の利益の%が少なくてもメリットが大きくなる。

 

これがTop Giver(価値を生み出す)とBottom Giver(自己犠牲)の違いである。

 

TopGiverとは与えることにより

  • どうすればチームが動き価値を生み出すのか
  • 動きやすくなり才能が発揮されるのではないか
  • 自分より上手に使い良い結果をチームに出してくれるのではないか

などを自分の好きなジャンルで長期投資と考え動くことが大事である。

 

参考

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感想(3件)

 

 

人生の出来事をお金に換算すると(Putting a price tag)

 


人生の出来事「友人、結婚、健康、離婚、死別など」を経済科学の潜在価格という手法を用いて計算されお金に換算すると様々なことが分かった。

 

Putting a price tag
ロンドン大学(イギリス)*6が2007年に人間関係を潜在価格を用いて、「人間関係、その他の関係」をお金に換算する(2007年当時のUK換算)といくらになるのか調査した。


その結果、幸福度を年収換算(2007年当時のUK換算)すると以下のことが分かった。

  • 「良好な人間関係(友人、仕事、趣味)がもたらす幸福度」を年収換算766万円と同等であった。
  • 「結婚がもたらす幸福度」を年収換算614万円と同等であった。
  • 「別居、離別がもたらす不幸度」を年収換算1492万円の損害と同等であった。
  • 「離婚がもたらす不幸度」を年収換算199万円の損害と同等であった。
  • 「死別がもたらす不幸度」を年収換算1801万円の損害と同等であった
  • 「月1日、友人や家族とゆっくり過ごす時間の幸福度」を年収換算567万円と同等であった。
  • 「無職がもたらす不幸度」を年収換算666万円の損害と同等であった
  • 「健康状態の改善がもたらす幸福度」を年収換算2708万円と同等であった。

 

年収2,000万円以上の人の割合は全体人口の約0.5%程度です。


つまり、それなりの大企業の役員で年収2000万円程度なので、健康状態を改善するだけでそれ以上の幸福度を得られることになります。


逆に言えば、苦しい思いで働き年収3000万円得たとしても体調を崩したり、体型が崩れたりすると年収2700万円の損害になるので年収300万円の人と変わらないことになります。


年収は上昇するにつれ幸福度も同化していくことが分かっているので、これらを踏まえ、一定以上稼いだなら健康や良好な人間関係を維持するためにお金や労力を使った方が幸福につながることが判明した研究でした。

 

参考

人間関係の価値をお金に換算すると…衝撃の金額に - YouTube

Putting a price tag on friends, relatives, and neighbours: Using surveys of life satisfaction to value social relationships

*1:支出の採算が取れない、回収することが不可能な費用のことで、「sunk」は「沈没」、「cost」は費用という意味。直訳すると水に沈んで戻ってこない費用という意味になる。

*2:オックスフォード大学 (University of Oxford) は、イギリスの大学都市、オックスフォードに所在する総合大学である。

*3:イェール大学(英語: Yale University)は、米国コネチカット州ニューヘイブン市に本部を置く、1701年創設の私立大学である。

*4:薬理作用に基づかない薬物の治癒効果、つまり投薬の形式に伴う心理効果(暗示作用)のことで、薬理学的にまったく不活性な薬物(プラシーボ)を薬と思わせて患者に与え、有効な作用が現れた場合をプラシーボ効果があったという。

*5:コーネル大学(Cornell University)は、1865年に設立されたアイビー・リーグを構成する米国の大学である。

*6:ロンドン大学(ロンドンだいがく、英:University of London)は、1836年に設立された、イギリスのロンドン市中心部、ラッセル・スクウェアに本部を置くカレッジ制の連合大学である。