住む環境が悪いと人間の性格が悪くなる 追記:(19/02/14)
大気汚染がひどい場所に住む人は「犯罪、反則、裏切、荒い言葉遣い、不健康、悪質な行動など」が起きやすい傾向にあることが分かっています。
大気汚染と性格
2018年、コロンビア大学(アメリカ)の研究(R)で、様々な都市に住む9,360人の9年間分のデータを分析し、「大気汚染と犯罪発生率」を調査した。
「一酸化炭素、二酸化窒素、二酸化硫黄、PM2.5のような大気汚染」と「殺人、強盗のような犯罪」を比べると大気汚染が過酷になるほど犯罪発生率が上昇することが分かった。
これは人口、雇用率、治安団体(警察など)、貧困率、地理・法律、年齢、性別など、様々な要素を調整しても「大気汚染と犯罪」の相関性がみられた。
つまり、「大気汚染」と「犯罪」は密接に関係しており、大気汚染が過酷な場所では犯罪が起きやすいということになる。
さらに研究チームは256人の被験者に「大気汚染が身体を害している」と「大気汚染された場所の雰囲気」など、原因を調査した。
- Aグループに「大気汚染を連想させる写真(都会、工場など)」を見せた
- Bグループに「大気汚染を感じさせない写真(自然、公園など)」を見せた
写真を見せた後、「クイズに正解すると賞金が貰える」実験を行い、わざとクイズの回答が見えるように配置し、カンニングするかどうかを調査した。
結果、「大気汚染を連想させる写真」を見たAグループはBグループよりも圧倒的にカンニングをしやすかった。
つまり、空気が汚れていることを感じただけで人間の良心は崩れ、犯罪や悪質な行動を行いやすくなる。
ビル群やコンクリートよりも「自然」に囲まれて過ごす人の方が総死亡率が低いことも分かっていますが、おまけに性格も歪むことが判明した研究でした。
参考
住むと性格悪くなる場所が判明 - YouTube
Polluted Morality: Air Pollution Predicts Criminal Activity and Unethical Behavior
知能が低い人間ほど「差別・偏見・決めつけ」が多い 追記:(19/02/13)
知性が低いと物事を単純にしか捉えられない
2012年、アメリカのメタアナリシス(メタ分析)(R)によると「知能の低さ」と「差別、偏見、決めつけ」に関連性があることが分かった。
イギリスの15,874人分(N = 15,874)の小児期(10歳)に知性(認知機能、計算能力、情報処理の速度)を計測し、20年後(30歳)に再計測を行うと、小児期に知性のが低かった人ほど人種差別や右翼的な思考が多かった。
アメリカのデータセットの二次分析では、知性が低いほど同性愛者の偏見や貧弱な推論スキルなどがみられた。
原因としては、様々な過程の経てどんな人にも「善人と悪人、良い部分と悪い部分」も存在し「人間は本来複雑な過程で形成され、善悪で簡単に捉えられない」にもかかわらず、知能が低くなると複雑な物事を分析し理解しようとせず、白黒バイアスのように単純にしか物事を捉えられなくなるからと考えられる。
認知能力は偏見や差別において過小評価されているが、役割を果たすために重要であることにを示唆している。
つまり、知性が低い人程
- 「正社員と派遣、大企業と中小企業、男と女、国籍、年齢・世代」などの差別。
- 「男は有名大学に行かなければ成功しない」という偏った見解、偏見。
- 「挨拶もできない奴は、何をやらせても駄目だ」などの決めつけ。
が多くなる傾向がある、
知性が低く理解ができないと同時に面倒くさいから、複雑性を理解しなくても済むような昔からある極端なルールや自分だけが持っている規範や伝統にしがみつこうとする。
そうすることで、脳のエネルギーを消費せずに済むから「極端な捉え方」しかできずに「差別、偏見、決めつけ」が多くなる、同様に同じような人間と接することが多いのは「頭を使わなくて楽だから」。
「極端な見解をしやすい人、自分が陥っていないか」に気を付け柔軟な姿勢を持ちましょうという研究でした。
参考
差別・偏見・決めつけが強い人の正体が判明 - YouTube
Bright Minds and Dark Attitudes: Lower Cognitive Ability Predicts Greater Prejudice Through Right-Wing Ideology and Low Intergroup Contact
文字に性格は表れない 追記:(19/02/12)
筆跡学に関するレビュー論文
1992年、クワントレン工科大学(カナダ)のレビュー論文(R)で200件以上の筆跡学のデータをまとめ「筆跡学」の統計学的な効果量*1を調査した。
結果、「筆跡学」の効果量はほぼ0、つまり筆跡を見たところで書いた人の性格判断には役に立たないことが分かった。
この研究では、「筆跡学」の研究データのほとんどが科学的根拠が不十分で、筆跡学の研究者は金銭(賄賂)を支払いジャーナル(論文を掲載する雑誌)に論文を掲載させるケースがあったことも判明した。
筆跡学に関するメタ分析
1982年、テレサ・アマビルらの研究(R)でも200以上の研究から引き出されたメタアナリシス(メタ分析)は、筆跡学者は性格検査で様々な種類の性格特性も予測できないことが分かっています。
ちなみにこの文献は400件以上の文献でも引用されている。
他人に伝えるという意味では読める程度の筆跡が大切ですが、字がきれいだろうが汚かろうが性格には関係ないことが分かった研究でした。
参考
文字に性格出る!の 筆跡学って嘘orホント?答えは… - YouTube
The bottom line: Effect size.
On the failures of graphology.
Graphology and Personality: An Empirical Study on Validity of Handwriting Analysis
The predictive validity of graphological inferences: A meta-analytic approach - ScienceDirect
科学的に否定された勉強法の罠 追記:(19/02/11)
世の中にある様々な勉強法のほとんどが科学的に間違っていることが多く、脳や神経の専門家でも「神経神話(人間の脳は全体の10%しか使っていない、右脳人間・左脳人間が存在するなど)」の間違った知識を信じている人は多い(R)。
科学的に否定された勉強法
アメリカ進歩センター(CAP)の研究(R)で、3000人の様々な被験者(学生、教師、専門家)に「神経神話」のような科学的に否定されている勉強法をどの程度信じているのか調査した。
結果、
- 「人それぞれに個々の勉強法がある」ことに90%が同意
- 「教師が『賢い』と称賛することで生徒をやる気にさせるべきだ」という意見に71%が同意
- 「クイズ形式の勉強法に意味がない」ことに60%以上が同意
- 「教師が優れた指導能力を持っていれば、数学や科学などの教科分野を知っている必要はない」ことに40%以上が同意
人間の脳の仕組み的に覚えるとき(インプット)よりも、吐き出す時(アウトプット)の方が記憶が脳に定着しやすく、自分の頭で考え、思い出し、発信することをしないと記憶に残らない。
アンダーラインや付箋も「記憶の定着」という意味では無意味で、自分の言葉で内容を言い換えたり、まとめると記憶に残りやすい。
参考
みんなやりがちな科学的に否定された勉強法の罠 - YouTube
What Do People Know About Excellent Teaching and Learning? - Center for American Progress
Frontiers | Dispelling the Myth: Training in Education or Neuroscience Decreases but Does Not Eliminate Beliefs in Neuromyths | Psychology
人間の集中力は「2.8秒の邪魔」で崩壊する 追記:(19/02/08)
人間は2.8秒邪魔が入るだけで、集中状態が崩れてしまう程「集中状態」はデリケートであることが分かっています。
些細な出来事で集中状態が狂う
2013年、ミシガン州立大学(アメリカ)の研究(R)で「瞬間的な中断は集中状態を狂わせる」ことが分かっています。
学生の被験者に集中力を必要とするタスクをさせて、わざと邪魔(広告のようなポップ)を表示することによるパフォーマンスに対する影響を調べた。
結果、邪魔(ポップ)が2.8秒の場合、被験者のタスクの処理速度が半分以下、4.4秒の場合は3分の1までタスクの処理速度が低下した。
これは人類の進化の過程で「危機が迫っている」と感じたときに、集中状態を解除できなければ生きていけなかったからだと言われています。
集中力の無い祖先の生き残りが現代人で、人間の本質的に外部からの刺激で集中が簡単に途切れるようにできています。
SNS、LINEやメールの通知、電話のような「気が逸れる要素」は作業の効率を落とすのに十分な悪影響を与えていることになり、終わるはずの作業を「2.8秒の邪魔」が繰り返し入るだけで倍になり、1時間が2時間、2時間が4時間、3時間が6時間、4時間が8時間に膨れ上がる。
つまり、本来4時間で済ませられる作業が「2.8秒の邪魔」のせいで、8時間に膨らんでで「働いた気分」になってしまう。
ついでに「大事なことに集中するDEEP WORK
」によると人間の集中できる時間は最大4時間、「クロノタイプ」と呼ばれる4つの活動タイプによる、人間には個々の集中できる時間帯あることが分かっています。
参考
勉強・仕事中のスマホ 何分で集中力が崩壊するか判明 - YouTube
Momentary interruptions can derail the train of thought. - PubMed - NCBI
Validity of the Japanese version of the Munich ChronoType Questionnaire. - PubMed - NCBI
Circadian typology: a comprehensive review. - PubMed - NCBI
「ハロー効果」と「内集団バイアス」 追記:(19/02/01)
ハロー効果
ハロー効果*2とは、相手に抱いた1つ印象で全てを決めつけるバイアスのこと。
ハロー効果が起こる原因は、原始的な時代では物事の一面だけで判断することで、即断が可能になり、この考え方は生存に有利でそれが遺伝的に受け継がれていると考えられている。
ポジティブ・ハロー効果
「明るく挨拶が出来る、身なりが清潔」など、基本的な印象が良いと他に関しても優秀な人材であるだろうと判断する。この効果はマーケティングや恋愛における心理学テクニックなどで用いる。
例えば、「英語」で対応できると「あの人は仕事ができる」というハロー効果に陥る。
ネガティブ・ハロー効果
何か一つでも望ましくない面を与えると、他に関しても「良くない印象」の先入観に流されて判断・評価されてしまいます。
例えば、本人が起こした問題ではないネガティブな報告をすると「あいつはいつも面倒事を持ってくる」など。
内集団バイアス
内集団バイアスとは、自分の所属している集団を贔屓(ひいき)すること。
内集団と外集団の区別が激しく、時に差別的行動が起こることがある。内集団の狂気にも同調し、外集団に対する迫害を肯定するようになる。
例えば、自分は京都人だという意識が強いと、「京都以外」と排他的になるが、相手が関西人として捉えると排他性は弱まり、「京都以外」ではなく「関西人」として捉える。
相手が持つ「目立ちやすい特徴」にひっぱられ、その他はバイアスがかかり歪んでしまう。そして、内外の差が激しいと誰かが成功しそうになると足を引っ張るような行為に及ぶ可能性もあります。
参考
Ubiquitous halo.
She just doesn't look like a philosopher…? Affective influences on the halo effect in impression formation
The Fundamental Attribution Error in Detecting Deception: The Boy-Who-Cried-Wolf Effect
In-group bias in the minimal intergroup situation: A cognitive-motivational analysis.
「権利への執念」と「過度の一般化」 追記:(19/02/01)
権利への執念のバイアス
権利への執念とは、自身が勝手に設けたルールを他人に押し付けるバイアス。
- 「世の中の常識」
- 「社会人としてスーツは当たり前、定職に就くのが普通」
- 「髪の色は黒が普通」
- 「女性は35歳までに結婚しないとダメ」
- 「男性は大学卒業したら親元から離れないと駄目」
「こうあるべき」という主観的な話はしてもしかたのない「個人の主観を吐露する議論」は議論とは言わない。
「自分が信じてること」は他人から見たときにそれが正しいかは分からない、「主観的な感想」を話し合っているのか「客観的な事実」を話し合ってるか。
過度の一般化のバイアス
過度の一般化バイアスとは、過去の「成功した方法」をすべてに当てはようとする、成功がずっと上手くいくと思い込むバイアス。
常識だから、ルールだから、暗黙の了解など、「なぜ、伝統や常識やルール足り得たのか、存在・継続出来たのか」、どのような状況で常識やルールが成り立つのかを知っておかないければ過度の一般化バイアスに陥ってしまい、必要のないところまで適用させようとする。
常識がどのような状況で成り立つのか、理解しておかないと場合によっては不利、デメリットを請け負う羽目になってしまいます。
「なんで、真面目に働いている自分がこんな目に」、「あれ上手くいったんだから、これも上手くいく」など。
参考
A Cognitive Theory of Obsessions - ScienceDirect
Cognitive biases in generalized social phobia.
能力の低い人程、自分自身を過大評価する 追記:(19/02/01)
ダニング=クルーガー効果
1999年、コーネル大学*3のデイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーの実験(R)で、「優越の錯覚を生み出す認知バイアスは、【能力の高い人物】は外部(他人)に対する過小評価にする傾向があり、一方で【能力の低い人物】は内部(自分自身)に対する過大評価する」ことが分かった。
2012年に行われた調査(R)によれば、能力の低い人間は以下のような特徴があることが分かった。
- 自身の能力が不足していることを認識できない
- 自身の能力の不十分さの程度を認識できない
- 他者の能力を正確に推定できない
- その能力について訓練すれば、自身の能力の欠如を認識できる。
ダニング=クルーガー効果に関する研究には、アメリカ人の被験者に焦点を当てており、東アジアなどの研究では、異なる文化の中で異なる社会的勢力が活躍していることを示唆している。
例えば、東アジア人は自身の能力を過小評価し、それについて自分自身を改善し、他者との交流を深める機会としてポジティブに捉える傾向があることが分かっている。
能力が低いとは、自分自身の行いを客観的に見る能力が低い人。
つまり、「自分の欠点を見つめ直す、メタ認知(客観的に自分を見ること)ができない人」はダニング・クルーガー効果に陥りやすい。
参考
Unskilled and unaware of it: How difficulties in recognizing one's own incompetence lead to inflated self-assessments.
How unaware are the unskilled? Empirical tests of the “signal extraction” counterexplanation for the Dunning–Kruger effect in self-evaluation of performance - ScienceDirect
「死に関するニュース」の危険性 追記:(19/01/23)
昨今誰の目にも映るマスメディアの危険性について。
マスメディア*4とは、大勢の人に向けて発信される情報のことです。
メディアは大勢の人の為になる情報を発信する目的で進歩してきましたが、なぜ大衆の為にならなず不安だけを煽るような【死のニュース】を発信するのか。
昨今インターネットの急激な普及により、大衆はそれぞれ目的に応じた情報を自分自身で得られる時代になる中、大体のメディアは大勢の目を向けさせることで主な収入源である広告収入を得るために「大衆の目を引き付けやすいニュース」を多く扱うようになってきました。
その中で最も大衆の目を引き付けるニュースが【死に関するニュース】です。
人間は【ポジティブな出来事】より【ネガティブな出来事】の方が8倍反応しやく(R)、これらは原始時代から人間が危険をいち早く察知し、危険から逃れ、生存確率上げるための能力ですが、ネガティブなニュースを目にした視聴者は弊害が生じることが科学的に分かっています。
人間は基本的に共感する生き物なので、喜び、悲しみ、怒り、悔しみなど感情は他人に伝わり様々な影響を与えます。
そして、ネガティブなニュースを目の当たりにした人は無意識に逃げ出したくなる心理が働き、それらから伝わるストレスが前頭前野(理性)を狂わせるので誘惑に弱くなります。
そんな誘惑に弱くなったときに人間が欲するのが一時的に不安を紛らわせるCM(甘い食べ物、油っぽいお菓子、遊園地、高級品など)が目に付き、何気なく買い物しているときにレジ前や近くの手に届きやすい場所の【誘惑に負けやすい商品】を購入してしまいます。
また、ネガティブなニュースの合間にCMを流すことで購買率が上昇することも分かっています(R)。
しかし、ネガティブなニュース(特に死に関する)を目にした視聴者は、【無意識に死に近い選択をしてしまう】ことが科学的に分かっています。
ウェルテル効果
ウェルテル効果とは、マスメディアの死に関するニュース、自殺報道に影響されて模倣犯や自殺が増える事象(R)を指し、これを実証した社会学者のDavid P. Phillipsにより命名され、特に若年層が影響を受けやすいとされる。
「ウェルテル」は、ゲーテ著の『若きウェルテルの悩み』(1774年)に由来し、本作の主人公、ウェルテルは恋に悩み最終的に自殺をするが、これに影響された若者達が彼と同じ方法で自殺した事象を起源とされ、これが原因でいくつかの国家でこの本は発禁処分となった。
アメリカの調査(R)でも、痛ましいニュースがある一定の地域だけ報道された後、様々な事故率が上昇し、報道規模に比例して事故率が上昇することも確認された。
つまり、人間は死に関するニュースを見るだけで無意識に死に近い選択をしてしまう。
研究者は、「普段、破壊的な行動を取るまでに至らない人達が死のニュースに触れることで無意識に行動(危険運転、反社会的行動など)を起こしやすくなるからではないか」とコメントしてる。
そして、ニュースの内容に類似した模倣犯が増加することも確認されている(R)。
つまり、TVなどで不祥事、謝罪、事件などネガティブなニュースを流すのは人の目を引き付け広告収入得るために、視聴者の死亡リスクが高まり、模倣犯が増加しようとも自分たちのメリットしか考慮していない。
社会的に危険なサイコパス(ダークトライアド)にメディア関係者が多いことも分かっている(ダークトライアドについて)。
参考
新年に死のニュースが増える真の理由 - YouTube
Our Brain's Negative Bias | Psychology Today
Tracking the Werther Effect on social media: Emotional responses to prominent suicide deaths on twitter and subsequent increases in suicide - ScienceDirect
Criminal behavior and the copycat effect: Literature review and theoretical framework for empirical investigation - ScienceDirect
The Influence of Suggestion on Suicide: Substantive and Theoretical Implications of the Werther Effect
Modelling and suicide: A test of the Werther effect
Have You Seen the News Today? The Effect of Death-Related Media Contexts on Brand Preferences
本来イライラは長く続かないが、後の余計な行為で連鎖する 追記:(19/01/23)
人間の感情は、保ち続けることが出来ず、フラットな状態に戻る仕組みでイライラの感情も長くは続きません。
壁に止まったハエ
オハイヨ州立大学(アメリカ)の実験( R)で、94人の学生を2つのグループに分け、威圧し怒りを煽り、難しい問題を解くように指示を出した。
Aグループ:普通にパズルを解いた。
Bグループ:壁に止まったハエの視点からイライラしている自分を想像した。
結果、AよりもBの方がパズルの成績が30%上昇したことが分かった。
ソロモンのパラドックス
ソロモンとは、優れた知性で様々な偉業を成し遂げたが、自身のことについて(家族問題、女性問題など)は、失敗ばかりしていたイスラエル王国、ソロモン王にちなんで「ソロモンのパラドックス」と呼ばれている。
ウォータールー大学(アメリカ)の実験(R)で、人間は様々なバイアス(偏見、歪んだ思考)に掛かり「他人へのアドバイスは的確なのに、自分のことになると間違った判断をしてしまう」という現象について。
人間関係で第三者の視点と当事者になるとでは「判断が異なる」ので、当事者になっても「どのように行えば冷静に物事を判断できるのか」様々な年代を調査した。
実験内容は
①当事者(自身に対人トラブルが起こったところを想像した)グループ
②第三者(友人に対人トラブルが起こったところを想像した)グループ
共通なのは、「トラブルが起こった場面の想像」だけを行った。
その後、被験者全員にアンケートを行い「全体の状況をどこまで把握できているか(どこまで知っている、何を解決できるか)」など、自身の能力や知識の限界を把握できているか、対人トラブルでどの程度の妥協点を作り出せるか、様々な問題解決方法(相手が折れた場合、自身が折れた場合)を見出せるか調査した。
結果、世代関係なく②の第三者の想像をしただけで冷静に物事を判断し、バイアス(ソロモンのパラドックス)が解消され、①の当事者の場合冷静さが欠けてしまい、自身の能力を超える判断を下し、余計な物事を引き受けすぎてしまうことが分かった。
トラブルや悩みを解決したいときは他人の視点「友人が同じ状況ならどのようにアドバイスするか」などを考えることが重要で、起こった問題を友人や家族とシェアするのも効果が得られることが分かっています。
参考
心理学的に正しい対人トラブル解決法 - YouTube
Flies on the wall are less aggressive: Self-distancing “in the heat of the moment” reduces aggressive thoughts, angry feelings and aggressive behavior - ScienceDirect
Exploring Solomon’s Paradox: Self-Distancing Eliminates the Self-Other Asymmetry in Wise Reasoning About Close Relationships in Younger and Older Adults
子供はどの程度、親の影響を受けるのか 追記:(19/01/22)
科学的にごく一般的な家庭では、「遺伝子を含まない親からの影響度(家庭環境、育て方、親の考え方など)」は、【0%~11%】程度で親の育て方や家庭環境は子供にほとんど影響しないことが分かっています。
最近の遺伝学では、性格は50%遺伝で残り半分は外部環境(仕事、恋愛、友人関係など)によって決まってきます。
一卵性双生児*5研究
生まれた直後から様々な理由で別々の家庭環境で育てられた一卵性の双子を対象に行った研究で、ビックファイブ*6を元にそれぞれの性格に違いが表れるのか調査(R)した。
さまざまな項目(身長体重、性的魅力、神経症的傾向、外向性、開放性、協調性、誠実性など)を調査した結果、ほとんどが遺伝子と外部環境(友人、学校、仕事など)の影響度を占め、家庭環境による影響度はかなり低いことが分かった。
例えば、見た目に関して
身長「遺伝86%、家庭環境、外部環境7%」。
肥満具合(体重)「遺伝80%、家庭環境3%、外部環境17%」。
性的魅力(男性らしさ・女性らしさ)「遺伝52%、家庭環境9%、外部環境57%」
ビックファイブに関して
神経症的傾向(メンタルの強さ弱さ)「遺伝58%、家庭環境7%、外部環境49%」
外向性(積極的に人と接する)「遺伝54%、家庭環境2%、外部環境48%」
開放性(チャレンジ力)「遺伝38%、家庭環境8%、外部環境54%」
協調性(環境に順応する力)「遺伝52%、家庭環境1%、外部環境59%」
誠実性(向上心)「遺伝38%、家庭環境1%、外部環境52%」
総合して性格に与える影響度は、遺伝38~50%、家庭環境0~11%、外部環境7~59%。
つまり、遺伝と友人環境で人間の人格形成は決まってしまうので、家庭環境で子供を親が望んだ人格に育てるのはかなり難しい。
両親が子供に出来ることは「様々な環境」を与えられる財力や環境を提供することになります。
ただし、幼少期に虐待(肉体的・心理的暴行、極度の栄養失調、監禁など)やネガティブな要素を使って子どもをコントロールする毒親、またはトラウマ(PTSD:心的外傷後ストレス障害*7)はそれらに影響され、社会的に過ちを犯しやすい人格が形成されやすい。
参考
あなたの性格のうち親の影響は何%?に答えが出た件 - YouTube
Heredity, environment, and IQ in the Texas Adoption Project (Chapter 4) - Intelligence, Heredity and Environment
Parenting Is an Environmental Predictor of Callous-Unemotional Traits and Aggression: A Monozygotic Twin Differences Study - ScienceDirect
幼少期のトラウマによる悪影響 追記:(19/01/22)
一般的な家庭環境(両親による子育て)が与える子供への影響は、0~11%で、ほぼ影響されませんが虐待やトラウマを受けた子供は例外に当てはまります。
トラウマとは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と言い、過去の強烈な心的外傷体験をきっかけに、時間が経過してもフラッシュバックや悪夢による侵入的再体験、関連する刺激の回避、否定的な思考や気分、怒りっぽさや不眠などの症状が持続する状態を指します。
科学的にPTSD(トラウマ)は、改善できることが分かっており、PTSDを乗り越え大きな成長をもたらしてくれることをPTSG(心的外傷後ストレス成長)と言います。トラウマが起こすネガティブな障害を理解し、対策を立て克服することで大きな成長をもたらすことが分かっています。
幼少期のPTSDによる脳への影響
ウィスコンシン大学(アメリカ)*8の論文(R)で、「子供時代のストレスは脳機能を変化させる」ことが分かっている。
実験内容は、54人の男女を対象に8歳の時点で「心的外傷体験(トラウマに近いような体験)」をした人を集め、脳をスキャンして金銭報酬タスク*9を行い、ギャンブルのようなリスクに脳がどのような反応を示すか調査した。
心的外傷体験の内容
- 目の前で両親が強盗に殺害された
- 両親がアルコール中毒*10で幼少期に暴力を振るわれた
- 頻繁な虐待により施設で保護され別の家庭に移された
- 食事を与えられず栄養失調状態で育てられた
結果、幼少期に重いトラウマを抱えている人程【リスクに対して鈍感】になり、一度リスクが現実化されると一般的な人よりも過剰に反応することが確認された。
トラウマを抱えた人は一般の人に比べてリスクに鈍感なので、トラブルの発生時は対処せず、問題が手が付けられないほど大きくなってから気付き、一度危険に気付くと過剰に臆病になるので逃げ出し、問題を解決しようとしない。
つまり、トラブルに鈍感だがトラブルからのダメージには敏感に反応して、焦ってパニックに陥る。
合理的な判断が出来ないわけではなく、気付くのが遅いので意思決定を失敗してしまうのが原因である。
なので、トラウマを抱えた人は克服を目指してPTSGによる成長か身の回りにトラブルに気付いてくれる仲間を置くかで対処する必要があります。
参考
子供時代のトラウマが脳に与える影響とその対策 - YouTube
Abnormal Structure of Fear Circuitry in Pediatric Post-Traumatic Stress Disorder | Neuropsychopharmacology
毒親の特徴と子供に与える影響
毒親とは、子どもを自分の支配下に置き、その人生に有害な影響を与える親を指す俗語。つまり、子供を意のままに操ろうとする親のこと。
親から子供への遺伝は見た目が70%、性格は30~50%程度、子育てで親が子供の性格に与える影響は全体の6%~8%程度と言われています。
毒親について
ロンドン大学(イギリス)*11の5300人分の少年期、中年期、更年期おける全員の幸福度などの「人生の満足度」を調査(R)し、それぞれ両親の子育てのスタイルを比べた。
研究結果によると、毒親の条件は【心理コントロール傾向が高い】ことが特徴でした。
つまり、罪悪感や恥などのネガティブな感情を使って子供を無理矢理支配しようとする回数が多かった。
例えば、親が望んだ成績ではなかった場合「一生懸命働いて学費を払っているのに...」
やワザと友達や人が見ている前で叱ったり、「周りに比べてうちの子は全然ダメなんですよ」などの辱めたり、子供に恥をかかせてネガティブな要素で精神的に追い込み、子供を意のままに操ろうとするのが毒親の特徴でした。
逆に「家事を手伝わないとお小遣いはあげません・宿題をしなさい」などストレートな命令形で行動コントロールしようとした親の子供は、純粋に「ウザい」と思ってスルーするなど特にネガティブな影響はありませんでした。
恥や罪悪感などのネガティブを利用して操ろうとする親の元で育つ子供は大人になってもトラブルやメンタル(精神)的にネガティブな影響による、鬱や病気に悩まされたりメンヘラや最悪の場合ダークトライアドとして社会的に誤った行為に及ぶ可能性が高いです。
毒親を持つ人の中で、性格に歪みがあるなど自覚があるなら諦めずに素直に受け入れ筋トレのようにトレーニングによって改善することができます。
参考
毒親の正体と本当の悪影響が判明! - YouTube
Parent–child relationships and offspring’s positive mental wellbeing from adolescence to early older age
友情が終わる原因
友情の変化について
フロリダ・アトランティック大学(アメリカ)*12が出した論文(R)でアメリカの小学生410人を6年間追跡し全員の友人関係がどのように変化したのかを調査した。
その結果6年間途切れずに続く関係がものすごく珍しいケースで、実際に長期間続く友情がほぼなかった。
小学生を対象にする理由
大人の場合5年10年同じ会社に勤めることは珍しくないし仕事の関係から友情に変化し辛い。小学生の場合クラス変更など近しい状態での友情がどのように変化するか調べやすいからである。
友情が終わる4つの原因
性別の違い
基本的に男女の友情は成り立たない、同性の友人に比べて男女の友情は4倍も崩れやすい。
これは男女の価値観の違いによるもので、互いの性別の見方の違いが原因である。
ウィスコンシン大学(アメリカ)*13の研究によると男性が性的な目線で女性を見てしまうので成り立たないことが分かっています。
攻撃性の違い
キレやすい、つまり暴力性、衝動性が高い場合同じ人間と関係を持つ場合が多い。攻撃性の高い者同士、低い者同士が集まる場合が多い。
頭の良さの違い
近しい頭脳を持ち合わせている友情ほど続きやすい。考え方、話の食い違いが少ないほど良く、成績や学歴ではなく自頭の良し悪しです。
好感度の違い
友達関係の違い。友達が多い人は多い同志、少ない人は少ない同志関係を持ちやすい。
この4つの友情が続くかどうか決まる最大の原因であることが分かっており、知名度(地位)や収入の違いはさほど影響ありませんでした。
それぞれの要因が重なっていくごとに友情が終わる確率が上がっていきます。
1つ当てはまるごとに24%~33%上がり、2つ当てはまると60%前後の確率で崩れ、3つ当てはまると保つのはかなり難しくなってしまいます。
性格の良し悪しは関係なく、怒りやすい人やサイコパシーな人でも他人への怒りや文句が原因で友情が崩れるわけではなく、お互いに同じもの同士関係を持つこともあります。
これが当てはまると終わりではなく、お互いに共通点を見出して自己開示していくことが必要です。
参考
友情が終わる最大の原因が判明!4つの違いで友情終了 - YouTube
FAU Study on Adolescent Friendships Confirms ‘Birds of a Feather Flock Together – Stay Together’
アメとムチの使い方 追記:(19/01/21)
アメとムチとは、人がある行動を取ったりある物質を摂取した時に快楽物質のドーパミンが分泌されることで得られる【報酬系】とネガティブな刺激を与えることで感じる【罰】のこと。
アメ(報酬系)の使い方は、「習慣を増やす、ノルマを達成する、出来ないことを出来るようになる、やるべきことをやる」など、何かしらの【行動を増やす】必要がある場合に報酬系を刺激すると効果を発揮でき、それらを続けるモチベーション維持に繋げることができます。
ムチ(罰)の使い方は、「間食を減らす、食べ過ぎを止める、タバコを止める、仕事中はスマホを見ない、やってはいけないことをやめる」など、何かしらの【行動を減らす】必要がある場合にネガティブな刺激を与えることで感じる罰を使います。
人間は、なかなか成果が得られない、予測できない、直接的に成果が得られないことに行動を起こそうとしない性質があります。
やるためにモチベーションの上昇させるアメ(報酬)に関して
ニューヨーク州立大学(アメリカ)*14が行った実験(R)で、職員達を対象に「モチベーションの向上」を調査した。
アメリカの病院では、医師や看護師が手を洗わない、洗い方が不十分な職員が多くみられ、それによる院内感染の問題などが主な実験理由である。
実験内容は、手を洗う際に警告サイン(手を洗わないと感染症などのネガティブな要素を伝える)、カメラで監視されていることを表示した。
結果、「手を洗わない危険性」を理解している医療関係者でさえ、警告をしているにも関わらず、10%程度しか改善されなかった。
しかし、メッセージを4週間ポジティブサインに変更すると90%まで手を洗う確率が上がった。
原因としては、表示される掲示板に「Good Job」と表示させるだけで報酬系が刺激されることでドーパミンが分泌され、何度も喜びを得る行動を取ろうとするからだと考えられる。
自分が何かをするために、小さなご褒美を与える自己管理方法が一番効果的ということです。
ゲームに没頭しやすいのは、「敵を倒す、レベルが上がる、アイテムが得られる、クリアする」など自身の行動にフィードバックが得られる速度が速く、それにより報酬系が刺激されて脳が興奮するからだと考えられます。
間食したい人にとってのご褒美とは「間食をすること」で、それらを我慢するのに報酬系を刺激することはあまり効果的ではありません。
行動を減らす場合は、報酬系を与えるよりも罰を与えるほうが3倍効果的であることが分かっています。
やらないように我慢する為のムチ(罰)に関して
ワシントン大学(アメリカ)*15の実験(R)で、被験者(学生)に「ヘッドフォンの左右のどちらから音が鳴ったか、左右のモニターのどちらが光ったか」など、簡単でミスをしないように作業を行わせて、正解するたびに5セントから25セントの賞金(報酬)が得られる、失敗すると同額の罰金が発生する実験を行った。
結果、賞金を得られる被験者よりも罰を課せられる被験者の方が自身の間違いを正そうとする「集中力、注意力」が高まった。
間違を減らそうとすることに関しては、報酬系の刺激よりも罰の方が3倍効果的であった。
小さなムチでも人間の脳を刺激することができるので、「500円貯金、スマホを1時間触らない、嫌いな動画を見る」など少し嫌な気分になる罰で構いません。小さな罰なら脳は同じような反応を示すので罰の内容にこだわる必要はありません。
参考
やる気を3倍アップするアメとムチの心理学 - YouTube
An Electronic Eye on Hospital Hand-Washing - The New York Times
Punishment Trumps Rewards in Learning Behavior Experiment -- Campus Technology
声のトーンで人間の本心が窺える(想定できる)追記:(19/01/20)
会話している人が「どんなことを思いながら会話しているのか、複数人で会話している時に「隣の人との会話と自分との会話」を比べてみるなど、声のピッチが高いか低いか(上がるか下がるか)、自分がどう思われているのかが分かる。
心理と声
スターリング大学(イギリス)*16が行った実験(R)で、学生に架空のインタビューを行わせた。
実験内容は、学生が行うインタビューの相手の職業を「①防犯責任者(看守のような威圧的な人物)、②主任教授(地位が高く周りから尊敬されている人物)、③一般人」3つのパターンに分け、インタビューの会話を記録して、対話する相手の容姿や社会的地位によって声のトーンや会話、態度にどのような変化が表れるか調査した。
結果、学生が「相手が格上である」と認識すると声が高くなる【自分を下げる行為】、「相手が格下である、同じくらいのレベル」と認識すると声が低くなる【自分の力を示す行為】であることが分かった。
つまり、会話中に相手の声が普段より高いと「身がすくんでいる、謙遜している、恐れをなす、恐怖している」など【従順である】ことを示し、声が普段より低いと「見下ろす、見下す、軽蔑、卑しめる」など【威圧的である】ことを示し、男女問わず起こる現象であったが男性の方が特にこの傾向が強く表れた。
原因としては、低い声は相手に【支配的な印象】を与え、高い声は相手に【親しみやすい、対等な印象】を与え、集団の中で男性は力があることを示すために低く、女性は無害であることを示すために高くするののではないかと考えられる。
よくある電話に出るとき(特に女性)声のピッチが上がるのは、「若く見せる為」ではなく「無害である」ことを示しているのではないかと考えられる。
普段の会話の中でピッチが低くなると相手の詳しい話題や相手が「こいつ分かってないな」などを示し、ピッチが高くなると関心や尊敬、頼りを示していることになる。
上下関係を作りたくない、親しみやすさをアピールするには声のピッチを高めに、交渉や主導権を握るなどの説得力が必要とされる場面では声のピッチを低めにするなど使い分けることで相手に与える印象を変化させることができる。
参考
相手の声だけで本心を暴くスキルがこちら - YouTube
Perceived differences in social status between speaker and listener affect the speaker's vocal characteristics
握手(握力)でわかる人間の性質(緊張、浮気、幸福度、出世率、老化、死亡率)追記:(19/01/19)
最近の科学では握力が様々な人間の性質と関連性があることが判明してます。
握力で分かる心理状態に関して
心理状態では、暑いと感じるときは【手の甲】、緊張しているときは【手のひら】に汗をかくなど、手の汗をかく位置に違いが表れます。
握手をするとき
①相手の目を見る(自信があるように見える)
②自然な笑顔(親しみやすさ)
③握手する時間を3秒以内に留め片手で行う(3秒以上相手に不快感、両手の握手は弱々しい印象を与える)
④少し強く握る(主導権を握れる)
握手だけで相手へ心理的に好印象を与えることができます。
握力が強いほど結婚が長続きすることについて
コロンビア加齢研究センター(アメリカ)*17の調査(R)で、5009人のノルウェー人を対象に各握力、結婚の状態(満足度、夫婦関係について)調査した結果、結婚生活が続くかどうかと握力と相関性があり、年齢を重ねるごとに握力の影響が強く表れることが判明した。
握力が強いと全体的には集中力、若年層(年齢が高い)の場合【健康レベル、幸福度】、若い人の場合【達成率、セルフコントロール(意思の力)】が高く、ここで重要なのは【握力が衰えているかどうか】で握力とは健康のバロメーターであることが分かった。
そして、握力が弱い人程独身である割合が高く、握力が強い人程幸せな結婚生活であることが分かった。
握力で分かる健康具合に関して
握力と死亡率の相関性について
2009年、マックマスター大学(カナダ)*18の調査(R)で、17ヶ国の被験者を対象に14万人分の健康情報(身長体重、筋肉レベル、肥満具合、病気、タバコ、アルコール、教育レベル、握力etc)を調査した研究によると、握力と死亡率に相関関係があることが判明した。
研究によると、握力が平均より5kg低下するごとに全死亡率*19が17%上昇することが判明した。
原因は分かっていないが【握力-5kgで死亡率17%上昇】という数字は、年齢、性別、日常の運動レベルなど一切関係なくあらゆる人口統計に当てはまる。
2016年、日本の東京都老人総合研究所高齢化に関する研究(R)で、老人の通常の歩行速度、握力、および立位バランスを測定した結果、握力が強くなるほど、死亡率、寝たきりの確率が低く、認知機能が衰えづらく、病気からの回復速度が平均よりも早いことが分かった。
つまり、握力が年齢平均よりも高いと【出世しやすい、浮気しやすい、幸福度が高い、老化しづらい、病気になりづらい、認知機能も衰えづらい】ということになります。
参考
握手だけで相手の将来性を見抜く方法 - YouTube
Women’s spousal choices and a man’s handshake: Evidence from a Norwegian study of cohort differences - ScienceDirect
Your handshake tells the story of your health
Associations of Walking Speed, Grip Strength, and Standing Balance With Total and Cause-Specific Mortality in a General Population of Japanese Elders. - PubMed - NCBI
一度フェイクニュース(偽情報)を信じた人間の考えを覆させるのは難しい
フェイクニュースを信じた人間の考えを覆させられるか
イリノイ大学*20が1994年から2015年の間に行われた「間違った情報を信じた人を正す方法について」の研究を行い、6878人分のデータを収集した「フェイクニュースに関する」メタ分析(R)。
実験の内容は、あえて間違った情報を被験者に与え、時間を置いて被験者に間違っていたことを伝えたり、間違っていた証拠を提示するなど「一度信じた情報をどの程度覆させられるか」調査した。
結果、偽情報を信じた被験者が正しいニュースをなかなか聞き入れられないことが分かった。
原因は、人間が正しいかどうかではなく「自身が積み上げてきたものを信じたい」と考えるからであることが分かっている。
つまり、考えが間違っていたならば、それによる痛手、懲りないと聞き入れない。
これらは専門家の間でもよくみられる現象です。
フェイクニュース、覆った情報を専門家でも信じ続けているか
ヒューストン大学(アメリカ)*21の研究(R)で、3877人(その内、598人は脳や神経について学生に教える専門家(教授)、234人は大学で脳科学や神経科学を専門に勉強している学生)の被験者を対象に、神経神話*22のような脳に関する正しいものと覆ったものを混合させた31種類の仮説を提示して、被験者たちが迷信と真実を見分けられるか調査した。
結果、「人間には個々に向いている学習スタイルが存在する」のような覆ったものを教授でも76%、「人間には右脳型、左脳型が存在する」なども教授の49%、「人間の脳は普段は10%しか機能していない」などは33%の被験者が支持していることが分かった。
このように人間は自身の積み上げたものを否定することは難しく、ゆえに合理的な判断ができないとフェイクニュースでも信じ続けてしまうことに繋がる。
なので、人生の幸福(達成感、楽しさ、共感)を求めるのであれば、妄信するのではなく目的を達成へ導くため「科学的に証明されていることなら科学を使い、そうではない時は試行錯誤して答えを探す」という合理的な判断を下す必要があります。
参考
糖質制限厨の闇 命を預かる立場であるはずの医者がメタ分析も理解してない問題 - YouTube
Debunking: A Meta-Analysis of the Psychological Efficacy of Messages Countering Misinformation
‘Fake news’: Incorrect, but hard to correct. The role of cognitive ability on the impact of false information on social impressions - ScienceDirect
Frontiers | Dispelling the Myth: Training in Education or Neuroscience Decreases but Does Not Eliminate Beliefs in Neuromyths | Psychology
頑固な相手の意見を変えさせる方法 追記:(19/01/18)
偏った考え方と極論
テルアビブ大学(イスラエル)*23の研究で、150人のイスラエル人の男女の対象に被験者を2つのグループに分け、①のグループには【TVのCM】を見せ、②は【パレスチナ問題*24に関わる動画(デリケートな話題)】を見せ、これらを見たイスラエル人のパレスチナ問題に対する態度がどのように変化したか調査する実験を6週間行った。
②の動画の内容は主に「イスラエルは世界で一番道徳的な国であり、なのでイスラエルがやっていることはすべて正しいので世界で一番優れた国の武力を使ってパレスチナ問題を解決しましょう」という動画。実際、イスラエル人の中でも「イスラエルが世界で一番道徳的な国である」と考える人は少なくなく、宗教的な問題でもあり、実験対象に選ばれた理由でもある。
実験の結果、繰り返し②(激しい賛成)を見た被験者の30%が意見を変えた。
つまり、極論を押し付けられることにより本人の意見は軟化*25してしまい信念すら変えさせてしまうということが分かった。
原因として人間は、自身の発言や考えを守る思考が働き、同意することで自身を鏡越しに見ている感覚になり、極論を突き付けられると極論を避け、中間を取ろうとする心理が働くからと考えらる。
2013年、イスラエルの選挙でもマイルドな意見(合理的な意見)を持つ参加者が増えたのが確認されている。
「絶対正しい、絶対良い、完璧」という意見に「本当に正しい、本当に良い、本当に完璧」と大袈裟すぎる【激しい同意、賛成】を示すと相手が「本当に正しいか?良いか?完璧であるか?」で疑問を持ちやすくなる。
参考
頑固な相手の意見を変える方法 - YouTube
人間は自身の心理状況が不安定になると、自分よりもひどい状況に置かれた人や自分よりも優遇された状況の人が災難に見舞われる所を見て安心感を得て改善させようとします。
少し嫌なことがあると「あいつより全然マシじゃん」という心理をシャーデンフロデ(加害の喜び)と言います。
シャーデンフロデは鎮痛剤のように【一時的に不安や緊張は改善されるが、自身の問題を抱えた状況は何の改善にも繋がっていない】。
メディアでも多い謝罪系の報道が多いということは、このシャーデンフロデを得ようとする視聴者が増えたということです。
しかし、メディアもこの一瞬の鎮痛剤のように謝罪系の報道を増やすことで「自分の状況を改善せずに、他人の不遇を寄って集って見て救われたような気分になるが結果、何も改善できていない」という状況に陥る人を増やしているということになります。
シャーデンフロイデ(加害の喜び)
エモリー大学(アメリカ)*26が過去の文献をレビューした論文(R)で、シャーデンフロイデが生まれる原因は3つのパターンがあることを判明しました。
区別系シャーデンフロデとは、自分の所属しているグループを正当化するために、他人の不幸を喜ぶのが特徴。
例えば、「自分が応援していないチームが負けたら喜ぶ」「ライバル企業の経営が傾いたり倒産すると喜ぶ」「隣の国の不手際を喜ぶ」など、政治や国家、洗脳や独裁者など特定の環境を強める、内集団と外集団を区別するために使われる。
女性のグループなど、学校や一般的な企業でも起こりうる現象で、区別系シャーデンフロデに陥っている人は内外の差が激しいので付き合うのは避けたほうが良い。
競争系シャーデンフロデとは、主に嫉妬が原因であることが多く、自分の羨むものを持っている「物、地位、環境」人が不手際や騒動に見舞われると喜ぶのが特徴。
自分の努力や行動によって羨む人たちを追い抜くのが正しい競争であり、自分自身の状況や環境は変わっていないが故に現実逃避、嫉妬によるシャーデンフロイデで特に害はないので無視することが適切です。
正義系シャーデンフロデとは、他人の不幸や災難、不手際や騒動を叩きこれらを「正義の為にやっている」と正当化するのが特徴。
ニュースを報道するメディアやゴシップ週刊誌など、必要ない他人の粗探しをしてお金を得ようとする人たちに当てはまります。
スポンサーや購買による「金の為」を「正義の為」と正当化し、「自分は世の中の為にやっている」と思い込み他人の不幸を喜びシャーデンフロイデを得ようとします。
人間は落ち込んだり精神的に不安定になると誰でもシャーデンフロイデの感情が芽生えます。
なので、シャーデンフロイデに頼らないように、自身の精神面を安定させて「本当に自分の為になることは何なのか」を考えることが大切です。
参考
謝罪系ニュースが増えた本当の理由 - YouTube
Schadenfreude deconstructed and reconstructed: A tripartite motivational model - ScienceDirect
身体的な特徴を指す悪口が与える悪影響
悪口とは、自分をバカにする・ディスる *27などの軽蔑や行為をしてくる人です。
特に身体的な特徴(ガリガリ・太っている・顔・胸など)を軽蔑してくる人とは人間関係を断った方が良いことが分かっています。
ネガティブな発言が人間に与える身体的な影響について
ウォータールー大学(カナダ)*28の研究で女子学生を対象に身長、体重を測定して自分のウエストサイズに不満があるかどうかなど、身体的なコンプレックスについて尋ね、8か月間追跡調査を行い、その間友人や知人に身体的なコンプレックスをからかわれたかどうか調査した。
その結果、体重や見た目をからかわれた女子学生は体重が平均2kg増量し、見た目を褒められた女性は平均0.5kg減っていたことが分かった。
これらはそれ(身体的な要素)以外の所でも確認されていて、怠け癖や社会的にはみ出しているや約束を守れないなどのネガティブな要素ばかり指摘する人と「時間は守れないけど時間を守らないからこそ普通の人と違う発想とかもあるよね」など良いところを発見させてくれる人とでは肉体的な特徴ですら変わってしまう。
つまり、甘やかすわけではなく「良い所と悪い所の総合評価をした上で良い点を伸ばそうとしてくれる・悪い所を改善するときに応援してくれる・自分がコンプレックスやネガティブに思っていることを罪悪感も感じながらも指摘するけどディスらない」人が大切という意味です。
このウォータールー大学の研究でも社会的なサポートが健康や人間の人生の目的を改善する効果があることが明らかになっています。
参考
縁を切るべき人、信頼できる人の見分けかた - YouTube
上から目線になる人の心理 追記:(19/01/18)
上から目線に陥る人間心理の研究
ワシントン州立大学(アメリカ)の「上から目線」になる人の心理を200人の学生を対象にした実験(R)で、「自身の能力についてのスタンス(どのように考えているか)」を調査しました。
具体的には、アンケートの中で「人間の能力はある程度遺伝で決まってしまうのでトレーニングによって伸ばすことはできないと思う」や「自分の能力や知性はトレーニングで鍛えたり変えたりすることができると思う」など自身の能力の考え方を答えさせた。
アンケートの後「IQを図るテスト」を行った結果、「自分の能力は変えられない」という考え方をしていた学生は「努力によって能力は変えられる」と考えていた学生よりもなぜか上から目線の口調が多かった。
「努力で自分の能力は変えられない」と考えていた人が「上から目線」になる原因として考えられるのは、努力しても変わらないから無理せず失敗を避けようとする心理が強く働きます。
結果、簡単で時間が掛からないタスク(集中力や時間を必要としないこと)や失敗してもリスクがないこと(優先順位が低いもの)しか行わず、それらを多くこなすことで自身が「問題を抱えずに仕事を多くこなしている錯覚」に陥っていることが原因でした。
つまり、 職場や親戚、友人や恋人など身の回りにいる「上から目線」の人の正体は、難しいことにはチャレンジせず、簡単なタスク(仕事など)だけ行うのでが仕事ができているような錯覚に陥り、優越感に浸っている人の特徴でした。
これらは誰にでも起きうることなので、「上から目線」になっていないか自分自身に問いかけ、簡単で失敗が少なく成長しないようなことばかりやっていないか注意する必要があります。
「上から目線」の固定マインドセット*29に陥っている人を見かけたら相手をせず、スルーする為のスキルを身につけておきましょう。
そして、「上から目線」に陥ったなら、どのように行動を起こすと自分の能力を向上できるか、変えられるかを試行錯誤することで固定マインドセットからの脱却に繋げることができます。
参考
なぜかいつも上から目線の人の残念すぎる正体 - YouTube
Overconfidence linked to one’s view of intelligence | WSU Insider | Washington State University
地位や権力を握った人間が的外れな発言をする心理 追記:(19/01/18)
上流階級になるほど共感能力(サイコパシー)が低下する
カリフォルニア大学(アメリカ)*30が行った300人強の被験者を対象に、上流階級(教育レベル、収入レベル、社会的地位)が高い人とそうではない人に表情の写った写真や面接風景の動画を見せて他人の感情読み取らせる実験を行った。
この研究によると、平均的に階級(教育レベル、収入レベル、社会的地位)が高くなる(お金持ちや権力者に近づく)と「他人の感情を読み取ることができなくなる」傾向が表れることが分かった。
原因として、人生で「他人の助けを必要とするかどうか」がこの他人の感情を読み取る能力に深く関わっていることが分かっている。
しかし、上流階級の人に自分たちが労働者階級にいるところやいたときのことを思い出すことで感情の読み取る能力が上昇した。
上流階級(教育レベル、収入レベル、社会的地位)や自分の決定に付いてくる周りにイエスマンしかいない状態になると他人に共感する必要がなくなります。
むしろ、集団や他人の感情に流されずに引っ張っていく、残酷な決定(大を生かすために小を殺す、一部の人間を敵に回す)ができる鈍感力(非共感能力:サイコパシー)に頼るようになり、サイコパシーが最も多い職業はCEOであることが分かっています。
地位た収入が上がるにつれ、悪い言い方をすると「共感能力が下がり、他人の気持ちが分からない」、良い言い方をすると「他人の喜びや怒り、動揺や不安に流されづらくなる」ということになり、サイコパシーとは資本主義社会の中では成功の秘訣であるともいえます。
ただ、地位が上がれば共感能力が下がれば良いかと言うとそういうわけではなく、地位も共感能力も高い方が成功しやすいことが分かっている。
地位が上がりつつも共感能力を維持するには、初心に帰る(昔の新人だったころを思い出す、そのような立場になって考える、部下や労働者の生活を知る)だけで、共感能力を維持することができる。
成り上がりで企業や集団の上に立つ人は、下に就く人たちと共感部分が多くが分かるので大衆を導くのが上手いが、御曹司*31のような全てを与えられ、試行錯誤、苦しむことが少なく、労働者階級の人間の気持ちが分からないまま温室栽培された人間が上に立つと、決定を失敗する傾向が高い。
なので、温室栽培された政治家に一般的な国民の生活など知る由もなく、共感が得られないので政治的なミスを犯す可能性が高いということです。
共感能力(サイコパシー)を図る実験
ノースウェスタン大学(アメリカ)*32の実験(R)で、被験者を「権力者(自分が大きな権力を手にした経験を語らせた)グループ」と「無力感(自分には何の力、権力もないと感じた時を語らせた)グループ」に分けて行った。
実験の一つに、自身のおでこにアルファベットの「E」を書かせた。
その「E」が
①自分主体:自分がらみて「E」になるか(他人から見て「3」のようになるか)
②客観的:他人から見て「E」になるか(自分から見て「3」のようになるか)
で違いが表れた。
権力者グループは、①が多く、共感能力が低め。
無力感グループは、②が多く、共感能力が高め。
2012年に行った実験(R)でも、権力者グループと無力感グループに「ルール違反を犯した人間にどの程度の罰則を与えるか」のアンケートを行うと、権力者グループは一般よりも他人に厳し罰を与えると答えた。
別の「サイコロを転がして出た目の分だけ賞金が得られる」という実験で、出た目の数は自己申告で大きな目(数)が出るほど賞金額が上昇します。
実験の結果、権力者グループは無力感グループに比べてチャンスレベル*33を平均20%も上回る(統計的にあり得ない確率)大き目が出たと答えた。
しかも、権力者グループはあらゆるルール(交通、法律、倫理的な違反)を正当化することが分かっている。
スピード違反に関して、無力感グループは素直に自身の違反を認めたのに対し、権力者グループは自身が違反したことは止むを得ない(自分には大切な予定があり、ルールを違反してしまうのは仕方のないこと)と自己正当化する返答が多かった。
これは政治家、法律家、企業だけでなく小さな集団(ママ友、PTAなど)でも起きやすいことが分かっている。
地位が高くなると他人から見た時のことを考慮せず、自分の意見だけを優先し、自分の視界に入る物だけで物事を判断している、つまり、視野が狭くなる。
しかも、他人にかなり厳しくなるが自分にかなり甘くなる。
つまり、上流階級になるほど他人の目線で物事を考えられなくなり、ビジネス、政治、大衆を導く仕事を担うと足元をすくわれる可能性が高い。
参考
権力者がバカなこと言い始める理由がこちら - YouTube
Losing Touch: Power diminishes perception and perspective
New Studies Determine Which Social Class More Likely to Behave Unethically | NSF - National Science Foundation
ヤバイ恋人や友人を見分ける3つの方法
人間の本当の性格(普段考えなくとも行える行動や言動)は前頭前野(理性)が働いていない時に出やすくなります。
①お酒を飲んだ時・興奮した時
科学的にお酒(アルコール)により記憶がなくなるのではなく、「思い出せなくなっている」というのが正確で、記憶のチャンク化(090-1234-5678のように記憶をいくつかの塊に分けて記憶すること)が上手くできていないことが原因です。
アルコール摂取による人間の変化について
実験で被験者にアルコールを摂取した・摂取していない状態で性格診断テストを行った結果、両方とも大きな変化は見られず、アルコールを摂取や興奮することにより性格の強度が変化し、その人物が持っている性格が強調されて表れた。
つまり、お酒を飲むと人の性格がより強く出てくることになる。
普段は前頭前野による理性でマスキング(隠している)されていますが、アルコールの摂取や興奮すると元々持っている性格が出やすくなり、表面に現れる性格の強度が上昇します。
つまり、酔っ払ったり興奮したりすると「涙もろくなる、口が悪くなる、下ネタが増える、馴れ馴れしくなる」など普段の性格が強く表れやすくなり、特に口が悪くなったり、態度が大きくなると恋人関係や友人関係が安定すると現れることになります。
②スポーツなどの結果を尋ねたとき
大学生を対象にした実験で自分の大学チームの試合の結果をチームに所属していない関係のない同じ大学の生徒に尋ねた所、この時意見が二つに分かれた。
①「自分達のチームは勝った、負けた」と主観的な意見。
②勝った時「私達のチームは勝った」と主観的な意見と
負けた時「彼達のチームは負けた」と客観的な意見。
②と答えた人たちに心理分析を行った結果、パーソナリティに問題がありコンプレックスやネガティブな要素が強く重要な場面で人を裏切る可能性のある人の特徴でした。
これは自分に自信がなくパーソナリティに問題があるため権力や財産・発言力を持っている人物に近しくなりその問題を補おうとし、それらを失った場合関係を断つようになり、このような習性が結果を聞いた時の発言に現れやすくなるということです。
③人の性格を尋ねる
人間は相手を理解しようとしたとき最初に自分との共通点を探す習性があり、価値観の近い人物から距離が縮まる。
第三者の性格を尋ねると自分と近しい性格から目につき答えやすく、ポジティブな人物はポジティブな要素を上げ、ネガティブな人物はネガティブな要素を上げます。
つまり、第三者の性格を幾つか尋ねると答えた人物の性格が表れるということです。
これは利害関係のない第三者への対応の仕方にも表れ、第三者への対応の仕方は関係が安定した5年10年後の自分への対応の仕方になります(利害関係のない人物とはお店の店員など)。
この3つだけ行うと疑心暗鬼になってしまうため、友人や親類などポジティブな関係を作ることを同時に行う必要があります。
参考
ヤバイ恋人や友人を見分ける3つの方法 - YouTube
メンヘラやDV行為を行う人の心理(神経症的傾向への偏り)
メンヘラやDVを行う人の特徴で、神経症的傾向への偏りがあります。
神経症的傾向とは、何か困難なことがあった時に敏感に反応する傾向で、自分の感情をコントロールできない、ストレスへの対処が下手だとする特徴があります。 その他、不安に陥りやすいこと、怒りやイライラ、抑うつ的などを経験しやすい事も挙げられます。
科学的エビデンスレベル*34が高いと言われている性格診断テスト【ビック5】は人間が持つさまざまな性格を【神経症傾向・外向性・開放性・協調性・誠実性】の5つの要素の組み合わせで構成される科学的に最も信頼されている理論です。
しかし、ビック5は少し複雑なのでもう少し簡単に判別できる【愛着スタイルテスト*35】で「安定型・不安型・回避型」と診断でき、自分がどのパターンで相手がどのパターンかでメンヘラやDVかどうか、組み合わせによって恋人関係・友人関係が長続きするかどうかが分かる。
愛着スタイルテスト
attachmentstyletest.web.fc2.com
愛着スタイルテスト
イランで行われた実験(R)で、146組のカップルを対象に男女全員の愛着スタイルテストを行い「安定型・不安型・回避型」の3つに分けた。
安定型
自分は自分、相手は相手と互いのコミュニケーションにバランスが取れていて、それぞれの時間を大切に、一緒にいるときは一緒の時間を大切にする。相手を無駄に束縛せず人間関係にバランスが取れています。
不安型
嫌われことに恐怖を感じ、過度に気を使い自分の言いたいことが言えず、かなり依存的になりやすい。気分の上下が激しく、熱しやすく冷めやすい。他人にサポートすることが苦手。
不安型は神経症的傾向への偏り(メンヘラ、DV)による、トラブルを招きやすい。
回避型
他人をなかなか信用せず、他人と深い関係になりそうになると関係を壊そうとする。相手と無駄に距離を置こうとする。自分の悩みを伝えられず、相談しても答えてくれないと思い込む。
安定型は他人との付き合いが上手いタイプで、不安型・回避型は悩むポイントは違うが人間関係では苦労するタイプです。
この研究の結果、【安定型×安定型】が一番関係が続き、片方が安定型の場合、距離感やコミュニケーションのバランスが程よく関係が続きやすいことが分かった。
【不安型×不安型】は、嫌われることを恐れ激しく依存的、熱しやすく冷めやすいので燃え上がるような大恋愛からあっという間に冷めてしまい関係が長続きせず、【回避型×回避型】は、お互い信用するのに時間が掛かり、カップルのような関係になる前に自然消滅してしまい関係が続かなかった。
一番関係が続きにくい組み合わせは【不安型×回避型】で、不安型は気分の上下が激しいので依存的になり、回避型はそれに応じて距離を置くようになり相手を踏み込ませようとしないので、不安型の人はさらに不安になり束縛し、かなり破滅的な結果を招いてしまいます。
つまり、不安型の人は神経症的傾向への偏り(メンヘラ、DV)が高いと言えます。
神経症的傾向への偏りが高い人(メンヘラ)は【言葉遣い】で判断できる。
レディング大学(イギリス)*36の不安や鬱で悩まされる人はどのような言葉遣いかを調べた研究で、60種類を超える掲示板をテキストマイニング*37して調査(R)した。
その結果、不安や鬱で悩まされる人たちのメンタルが悪化すると話す【内容】と【表現スタイル】に変化が表れた。
神経症的傾向が見られる人物(メンヘラ、DV)の会話に
内容
- 孤独感、悲しみ、哀れみなどのネガティブな表現が増加した
- 他人を評価するときに「あんな服着て可哀想、悲しみ、哀れみ」が増加した
- 一人称が極端に増加し、三人称が減少した。感想が自分視点のものが多い。
表現スタイル
- 根拠のない断言口調が50%増加した「いつも、常に、絶対、間違いない」
- 黒白思考、極端な表現をする「最悪、最高、すごい好き、すごい嫌い」
などの表現法がテキストマイニングによって明らかになりました。
神経症的傾向は直しやすい性格の一つでメンタルのトレーニングや運動習慣などで改善することができます。
DVを行う人の心理
ワイカト大学(ニュージーランド)*38の2004年の研究で、DVや強姦犯で投獄された37人に長期間インタビューを行った結果、5つの傾向があることが判明(R)した。
①「男女の違い」を理解しようとしない
DVを行いやすい人は、心理的に女性のことが理解できないと考えている。
このような考えを持つことがDVへつながるわけでなく、世間全体に向けて「女は訳が分からない、男と女は分かり合えない」という考えを持ち理解できないストレス、不安、「相手のことを理解しようとしない思考」から暴力へと変貌することが分かっている。
②「常に女性は男性を求めている」と思い込んでいる
女性が起こす行動(美容、服装、趣味、行動、仕事)はすべて「男性の気を引くためにやっている」と思い込む傾向がある。
女性に少し笑顔を向けられただけで「あいつは俺に気がある」と過度な勘違いを持ちやすい。
③「男性の性欲はコントロール出来ない」と思い込んでいる
「自制できないから浮気、暴力気味な性行為は致し方ない」と思い込む傾向があり、性的な暴力、不倫などを容認するような発言が多い。
「男性の性欲は押さえつけることができず、女性はそれを理解できないと駄目だ」という思考を持ち、自己コントロール(特に性欲)ができないのが特徴。
④「女性は男性の要求に答えるのが当たり前」と思い込んでいる
過度な亭主関白、女性は男性の言う通りに動くと考える。
初対面の時は良い顔をしながら、「ご飯を奢ったからやらせてよ」のような見返りを求めるのは当たり前と思い込む傾向がある。
⑤「世間は危険だらけで、世の中の人間は皆敵だらけだ」と思い込んでいる
「いつ騙されるか、いつ暴力を振るわれるか分からない」と考え、危険な事ばかりで他人は信用できないと思い込み、孤独で人を疑うことしか知らない。
なので、「世の中弱肉強食がすべてだから自分よりも弱いものには当然のように力で押さえつけても良い」という思考に陥っている。
参考
秒で終わるカップルの特徴 - YouTube
強気なふりしてメンヘラなやつの見抜き方 - YouTube
DVしやすい男の5つの特徴 - YouTube
Iranian Red Crescent Medical Journal - The Relationship Between Attachment Styles and Lifestyle With Marital Satisfaction
In an Absolute State: Elevated Use of Absolutist Words Is a Marker Specific to Anxiety, Depression, and Suicidal Ideation
The implicit theories of rapists: what convicted offenders tell us. - PubMed - NCBI
「荒らし、誹謗中傷」に絶対に反応してはいけない理由
誹謗中傷や荒らし、炎上について
2014年にマニトバ大学(カナダ)*39が荒らしについて調査(R)を行ったところ、荒らしの目的は「荒らして他人が反応するところを見て楽しむ」ことで、「荒らし」の割合はネットユーザー全体の5.6%ぐらいだった。
「ネット炎上の研究
」にて、ネットで19992人にアンケート調査を行い炎上に参加経験をチェックした結果、以下のことが判明した。
- ネット炎上に参加したことがある人は全体の1.1%だけだった。
- そのうち、ネット炎上に積極的に参加している人は0.47%しかいない。
- 「荒らし・誹謗中傷」を行うのは、女性より男性のほうが多い。
- 若者(会社や社会への不満)、子持ち(政治への関心が高くなる)ほど炎上に参加しやすい。
- 年収や世帯年収が高い人ほど炎上に参加しやすい。
- SNSの利用時間が長い人ほど炎上に参加しやすい。
- 学歴や出身は炎上とは関係がなかった。
激しい状態になっている(社会現象)のものでもそこに油を注ぐ炎上させる根源行為をする人間は数十人程度、つまり、どれも同じ荒らしが関わっていることになる。
荒らしの意見は極少数派で、荒らしはレスポンスが速く様々な案件に関わっているので一般の人には問題になっているように思い込ませることで自身の優越感や快感を得ようとする(ダークトライアド)。
「荒らし・誹謗中傷」の行為で捕まった人たちは、「自分たちの行いが正しかった」と後悔や反省を全く示さなかった。
ダークトライアドについて
2010年バララット大学(オーストラリア)*40の396人の男女を対象にした性格テストを行った研究(R)でダークトライアドのレベルテスト(ナルシシズム傾向・マキャヴェリアニズム傾向・サイコパシー傾向)を診断した後、参加者のSNSの使い方を調査した。
結果、「荒らし」の性格にダークトライアドへの極端な偏りの傾向があり、これらに他人の怒りや悲しみが加わると荒らしに変貌する。
荒らし(Trolling)のダークトライアドが飛びぬけている。

「荒らしの狙いは『荒らした反応を楽しむ』ことなので、反応すると荒らしに火をつけるだけで、一般的に行われる荒らし対策は無意味なことが多い。」と研究者はコメントしています。
荒らしに関わると、抑うつ症状が表れる(R)ことが分かっています。
荒らしはダークトライアドの性質を持っているので、見かけても絶対に何もせず距離を置き、「この人たちは、他人を苦しめる衝動に突き動かされている可哀そうな人たち」と慈悲の心で接することが大切です。
荒らしの対策として良い関係で囲まれているひとを荒らすのは難しいので信頼できる味方を作りましょう。
参考
付き合うとヤバイ人の見抜き方 - YouTube
Trolls just want to have fun - ScienceDirect
The dark side of Facebook®: The Dark Tetrad, negative social potency, and trolling behaviours - ScienceDirect
Seeing the world in black or white: The Dark Triad traits and dichotomous thinking - ScienceDirect
Rumination Mediates the Association Between Cyber-Victimization and Depressive Symptoms
Low self-control and the Dark Triad: Disentangling the predictive power of personality traits on young adult substance use, offending and victimization - ScienceDirect
Which personality traits are related to traditional bullying and cyberbullying? A study with the Big Five, Dark Triad and sadism - ScienceDirect
ダークトライアドへの極端な偏り
ダークトライアドとは、ナルシシズム(自己陶酔・自惚れ)・サイコパシー(精神病質)・マキャベリズム(非道徳的・非人道的)の3つの総称で、これにサディズム(加虐性淫乱症)が加わるとダークテトラッドと言いさらに厄介になります。
2013年、ゲント大学(アメリカ)の研究(R)で「ダークトライアドは経済的に成功している傾向がることが分かっている。サイコパスはリスクを恐れない、ナルシストは表面的な魅力が高い、マキャベリストは人心操作が上手いので、企業内で成功する確率が高くなる。
ダークトライアド
自己中心的、うぬぼれ、自意識過剰といった特徴を持つナルシストは常に自分主体の人間であると考えている。
自分の失敗や努力、技量や知識などの欠落を認識すると、それらを他人に投影し、責任転換し、自意識を高めようとする。
他人と安定した関係を維持することができず、他人に影響力を行使できる権力や地位などを求め、これらを他人に求めるのは何かあったときに責任転換し、自分を正当化するための理由でもある。
他人との共感・罪悪感などの欠落(他人を傷つけても何も思わない)。
- 良心が異常に欠如している
- 他者に冷淡で共感しない
- 慢性的に平然と嘘をつく
- 行動に対する責任が全く取れない
- 罪悪感が皆無自尊心が過大で自己中心的
- 口が達者で表面は魅力的
医学的にサイコパスと同じ状態であっても反社会性がなければサイコパスとはならない。反社会性などのサイコパス性の診断基準を満たす者は幼少期からの素行問題など行動面の異常を示すことが多いです。
サイコパス性が必要な仕事もあり1位に企業の社長、2位弁護士、3位メディア関係者の順に多く、これらは大きな権力に近い仕事で一般的に考えられる常識を無視できるサイコパシーが必要になる。
謀略、犯罪、いじめ、弱者を演じる、媚びを売るなど、常識など意にも介さないため自身の目的のために手段を択ばず、衝動的に他人を操り、他人を操ることに良心の呵責を感じず、マキャベリズムにとって他人とは道具でしかない。
他人にはカリスマ性をアピールし、自分の人気を使って人心を操作しようとする。
他人への関心や同情を示すこともあるが、それは目的は達成、ただのお遊び、衝動を抑えられないなど、個人的な利益を得ることだけが行動理由である。
サディズム(加虐性淫乱症)
相手(動物も含む)を身体的に虐待を与えたり、精神的に苦痛を与えたりすることによって性的快感を味わおうとする。
倫理観の発達していない年少の児童は、何の罪悪感も無く虫や小動物を殺すことがあり、こうした暴力性はサディズム的ではあるが、性的嗜好としてのサディズムとは、意味や内容が異なります。
嫌いな相手を叩きのめすことで爽快感を覚えるのは加虐性向(性格)で、その際に性的興奮・快感を覚えていればサディズム(より正確には「性的サディズム」)であるといえる。
ダークトライアド傾向の診断
www.idrlabs.com
参考
自己中の上位互換! 隠れナルシストを見抜くには - YouTube
いい人のふりしてあなたを攻撃してくる人への対処法 - YouTube
The Dirty Dozen: A Concise Measure of the Dark Triad
Expanding and Reconceptualizing Aberrant Personality at Work: Validity of Five‐Factor Model Aberrant Personality Tendencies to Predict Career Outcomes
日本語版:The Dirty Dozen: A Concise Measure of the Dark Triad
The Malevolent Side of Human Nature: A Meta-Analysis and Critical Review of the Literature on the Dark Triad (Narcissism, Machiavellianism, and Psychopathy)
A Meta-Analysis of the Dark Triad and Work Behavior: A Social Exchange Perspective
A person-centered view of prejudice: The Big Five, Dark Triad, and prejudice - ScienceDirect
